よくある質問(FAQ):Enterprise Architectの操作

  1. 利用したい表記方法が選択できない・ダイアグラムの新規作成で選択肢がでない
  2. ダイアグラムをコピーしたい
  3. クラス間で属性や操作をコピーしたい
  4. 「この接続の種類に対して、ソース側とターゲット側の要素の組み合わせが不適切です。」のメッセージを回避したい
  5. ダイアグラムの要素を削除してもモデルブラウザに要素が残る
  6. 属性や操作の並べ替えができない(アルファベット順に自動的に並んでしまう)
  7. 名前などのプロパティを変更するとすぐに保存され、Undoできない
  8. 起動や動作の速度を改善したい
  9. Enterprise Architectの利用中に不正終了する(クラッシュする・落ちる)

(「プロジェクトブラウザ」は、バージョン15.0で「モデルブラウザ」に名前が変更になりました。)

利用したい表記方法が選択できない・ダイアグラムの新規作成で選択肢がでない
多くの場合、「パースペクティブ」が選択されていて、そのパースペクティブに含まれていない記法を利用しようとしていることが原因です。Enterprise Architectを起動後、Enterprise Architectの画面の右上にあるパースペクティブを切り替えるボタンを押し、希望する記法を選択してください。
「すべてのパースペクティブ」を選択しても表示されない場合には、以下のいずれかが理由であることが多いです。
  • 利用しているエディションでは利用できない
  • 関連する「MDGテクノロジー」が無効になっている
  • 必要となるアドインがインストールされていない
「MDGテクノロジー」の設定は、「アドイン・拡張」リボン内の「MDGテクノロジー」パネルにある「設定」ボタンを押すと設定できます。利用したい表記方法にチェックが入っていない場合、チェックを入れてください。
ダイアグラムをコピーしたい
以下の手順でコピーできます。
  1. モデルブラウザの「モデル」タブで対象のダイアグラムを選択する
  2. 右クリックしてコンテキストメニューを表示し、「コピー」→「ダイアグラムのコピー」を選択する
  3. コピー先のパッケージを選択して、同様にコンテキストメニューから「貼り付け」→「ダイアグラム」を選択する
  4. 「ダイアグラムの貼り付け」画面が表示されるので、希望する結果に合わせて「貼り付け時の処理」を選択する
    (選択肢の意味はヘルプをご覧ください。)
クラス間で属性や操作をコピーしたい
クラス間で属性やコピーを操作する場合には、まずコピー先になるクラスが含まれるダイアグラムを表示します。
その後、モデルブラウザの「モデル」タブでコピーする要素や操作を選択して、そのままダイアグラム内のコピー先のクラスにドラッグ&ドロップします。これで、コピー先のクラスに属性や操作が追加されます。
(モデルブラウザ内でドラッグ&ドロップした場合には、属性や操作の移動になります。)
「この接続の種類に対して、ソース側とターゲット側の要素の組み合わせが不適切です。」のメッセージを回避したい
接続を要素間に作成したときに、「この接続の種類に対して、ソース側とターゲット側の要素の組み合わせが不適切です。」(バージョンによっては「指定された種類の接続と対象要素の関係が、規約に沿っていません」)というダイアログが表示されることがあります。これは、UMLなど利用している記法の規約に沿っていない要素間に接続を設定した場合に表示されます。
状況によっては、このような制約を無視し、自由にダイアグラムを作成したい場合もあると思います。あるいは、UML以外の記法で、UMLの文法チェックが行われた結果このエラーが表示される場合もあります。このような場合には、「ホーム」リボン内の「設定」パネルにある「オプション」ボタンを押し、メニューから「ユーザー」を選択してユーザーのオプションダイアログを表示させ、「接続」グループ内の「作成時に文法をチェックする」のチェックを外してください。このチェックが外れている状態では、接続の作成時にチェックは行いません。
ダイアグラムの要素を削除してもモデルブラウザに要素が残る
ダイアグラムの要素を削除してもモデルブラウザに要素が残る挙動は、Enterprise Architectとして意図した動作です。これは、要素とダイアグラムは一対一で利用されるものではなく、ひとつの要素がいろいろなダイアグラムで利用できるからです。また、この動作は(一時的に)どのダイアグラムにも配置されない状況にも対応できます。
なお、ダイアグラム上の要素に対して、モデル全体から完全に削除する必要のある場合には、モデルブラウザ内で対象の要素を右クリックして完全削除を実行するか、対象の要素を選択した後Ctrlキーを押しながらDeleteキーを押してください。
この内容は、「Enterprise Architect 入門セミナー」で説明しています。この「よくある質問」をご覧になった方は、ぜひセミナーをご受講ください。
属性や操作の並べ替えができない(アルファベット順に自動的に並んでしまう)
属性や操作は、既定値で文字コード(アルファベット)順に自動整列します。自由に並べ替えたい場合には、ユーザーオプションダイアログの「要素」グループにある「属性・操作を文字コード(アルファベット)順にソート」の設定を変更してください。
名前などのプロパティを変更するとすぐに保存され、Undoできない
Enterprise Architectは、もともとチームでの設計開発を前提としたツールです。ですので、プロジェクトファイルをネットワークドライブに配置するだけで、モデルの共有が可能です。
一方で、「個人で絵を描くためのツール」とは異なる点があります。その1つがUndoです。例えば名前などの要素のプロパティを変えた場合にはUndoしません。また、変更は即時に保存されます。人によっては、この点に違和感を感じる方もいらっしゃいます。
Enterprise Architectでは、モデルブラウザに格納される「モデル」(定義)の変更はUndo不可能で、また即時に変更が保存されます。一方で、個々のダイアグラムに固有の内容の編集はUndo可能であり、保存ボタンを押すまで保存は保留されます。この違いを説明します。
  • モデル(定義): Enterprise Architectでは、モデルブラウザに格納されている情報が該当します。つまり、要素の存在や要素の名前などのプロパティは、モデルに該当します。モデルは、複数人数での設計開発において「チーム全体の共有物」として考えています。
  • ダイアグラム: ダイアグラムには、モデル(定義)の要素を配置して、何らかの観点での設計内容を表現します。ダイアグラムは、複数人数での設計開発においても、個人ごとに作業を行う場所と位置づけています。
実際に、Enterprise Architectでは、ダイアグラムは一人のみが変更可能であるのに対し、モデルは複数人で同時に編集できます。そして、要素の大きさ・位置など個々のダイアグラムに固有の内容の操作はUndo(元に戻す)が可能になっています。
この内容は、「Enterprise Architect 続・入門セミナー」で説明しています。この「よくある質問」をご覧になった方は、ぜひセミナーをご受講ください。
起動や動作の速度を改善したい
Enterprise Architectの起動速度や動作速度は、以下の3点が大きく影響します。
  • ファイルの読み込み速度
  • CPUの性能
  • グラフィックの描画性能 (図を開く際および編集時)
そのため、例えばハードディスクではなくSSDを利用することで、起動や動作速度を改善できます。その他、以下の設定の変更や操作の実行を行うことで、速度が改善できる場合があります。
  • 「アドイン・拡張」リボン内の「アドイン」パネルにある「管理」ボタンを押し、不要なアドインを無効にする
  • 「ホーム」リボン内の「設定」パネルにある「オプション」ボタンを押し、メニューから「ユーザー」を選択すると表示されるユーザーのオプションダイアログで、以下の変更を行う
    • 「ダイアグラム」グループ内の「ダイアグラムのラベルの不透明表示」にチェックを入れる
    • 「ダイアグラム」グループ内の「ツールチップ」の「表示する」のチェックを外す
    • 「グラデーションと背景」グループ内のグラデーションの処理を全て無効にする
    • 「書式設定」グループ内の「描画処理」の項目を変更する (どの項目が最適かは、マシンによって変わります)
    • 「書式設定」グループ内の「要素名を太文字」「要素に影を表示」「テキストを縮小して表示」「要素の角を丸める」のチェックを外す
  • EAPXファイルの場合には、以下の操作を行う
    • 「EAP/EAPXファイルの圧縮」でファイル内の不要な情報を削除する
    • QEAファイルを利用する (EAPXファイルに比較して、QEAファイルのほうが高性能です。)
  • QEA/QEAXファイルの場合には、以下の操作を行う
  • プロジェクト内に不正なデータがある場合に動作に影響する場合があります。「整合性確認」機能を実行することで、こうしたデータの検出および削除が可能です。
  • Enterprise Architectのインストール時に選択できる「日本語文字列解析」の機能をインストールしないようにする
    (この機能を有効にすると、要素などのノートに記載されている内容を、表示するたびに解析します。特に、ノートサブウィンドウを表示している場合には、画面内で要素などを選択するたびに解析処理を実行しますので、動作速度に大きく影響します。「用語集」の機能を利用しない場合には不要ですので、インストールしないことを強くお勧めします。)
  • ビルド1626以前のビルドでは、Windowsの既定のプリンタが存在しないか利用できない場合に、起動に時間がかかる場合があります。
Enterprise Architectの利用中に不正終了する(クラッシュする・落ちる)
ごくまれに、Enterprise Architectを利用中に不正終了するというご報告をいただきます。もしこうしたことがある場合には、以下の内容を見直してください。その上で、問題が解決しないようであれば、サポートにご連絡ください。
  • 最初に見直すべきポイント
    • 過去のバージョン・ビルドにおいて、さまざまな状況で不正終了するバグが存在しました。最新版では修正済みであることが考えられますので、最新バージョン・ビルドを利用し、問題が発生しないかどうか確認してください。
    • Enterprise Architect本体ではなく、アドインが原因で不正終了する場合が多くあります。以下の方法で全てのアドインを無効にして、問題が発生しないかどうか確認してください。
      1. 「アドイン・拡張」リボン内の「アドイン」パネルにある「管理」ボタンを押す
      2. 全てのアドインの「起動時に読み込み」のチェックを外し、「OK」ボタンを押す
      3. Enterprise Architectを再起動する
      この方法で問題が発生しなくなる場合には、アドインを1つずつ有効にして動作を確認することで、どのアドインが原因かを確認してください。
      (該当アドインが弊社作成のアドインである場合には、お手数をおかけしますがサポートにご報告くださいますようお願いします。)
    • インストール時に「日本語文字列解析」の機能を有効にするようにしている場合には、この日本語文字列解析のために利用しているChasenライブラリの関係で、利用中に不正終了する場合があります。「日本語文字列解析」の機能を無効にして問題が発生しないかどうか確認してください。
      (関連情報:ノートを編集しようとすると強制終了する。)
    • プロジェクト内に不正なデータがある場合には、正しい動作とならない場合があります。「プロジェクト」リボンの「ツール」パネル内にある「管理」ボタンを押すと表示されるメニューから「整合性確認」を実行し、何らかのエラーが表示されるようでしたら、その不正なデータが影響している可能性があります。修復を実行し、問題が解決するかどうかご確認ください。
    • EAPXファイルを利用している場合には、ファイルの破損やファイル内の不適切なデータが影響している可能性があります。「プロジェクト」リボンの「ツール」パネル内にある「管理」ボタンを押すと表示されるメニューから「EAP/EAPXファイルの管理」→「EAP/EAPXファイルの修復」を実行し、問題が解決するかどうかご確認ください。
  • Enterprise Architectの起動中に不正終了する
    • Enterprise Architectの起動中に不正終了する場合の多くは、企業などで利用される資産管理ツール(従業員が不適切にツールをインストール・利用していないかどうかなどを確認するツール)・PC管理監視ツール・アンチウィルスツールが原因です。これらのツールを利用している場合には、可能な場合には、一時的に無効にした上で、問題が発生しないかどうか確認してください。
      (例: 突然Enterprise Architectが起動しなくなった)
    • 過去のバージョンのEnterprise Architectを利用していた環境では、過去のバージョンでの設定項目が影響していることが原因で不正終了する例もありました。この場合には、Enterprise Architectの設定情報を初期化することで、問題が解決できます。
      (関連情報:EA起動時のエラー)
    • Windows セキュリティの設定によっては、 64ビット版のEnterprise Architectに限り、起動中に不正終了します。詳細および解決方法は「特定の環境でのみ、64ビット版のEnterprise Architectが起動しない」をご覧ください。
  • 作業中に不正終了する
    • 上記「最初に見直すべきポイント」に記載した、アドインの問題および「日本語文字列解析」の設定を見直してください。
    • 常駐している他のツールが影響する場合もあります。この場合には、不正終了した場合のWindowsのログに、該当するツールのDLLの情報が含まれていることが多いため、サポートに情報をいただければツールを特定できる可能性があります。
      (例: Enterprise Architectの利用中に不正終了)