Proクラウドサーバとは?
Proクラウドサーバは、Enterprise Architectで作成するモデルを保存するプロジェクトを、多人数で共有する際に有用なサーバです。基本機能は無料で利用できます。有料のライセンスを購入することで、WebEAなどの追加機能が利用できます。
ProクラウドサーバはWindowsにインストールし常駐するサービス(サーバ)です。名前の通り外部のクラウド環境に配置することもできますし、社内ネットワークなど閉じた環境で利用することもできます。
Proクラウドサーバを利用することで、セキュリティを確保しつつモデルの内容を利害関係者と共有し、レビューやディスカッションを行うことができます。Proクラウドサーバの機能の1つであるWebEAは、Enterprise Architectで作成したモデルの最新の情報をWebブラウザなどで参照できます。

クラウド上でのモデルの共有
リアルタイムでのモデルの共有
WebEAは、クラウド上のリポジトリ(プロジェクト)に格納されている内容の最新情報を、スマートフォン・タブレット・パソコンのWebブラウザで参照するための仕組みです。
(現在は、一部の内容は英語となっています。日本語を含むモデルやダイアグラムの内容表示には影響はありません。)
WebEAの位置づけ
WebEAはEnterprise Architectの利用範囲や使い方を拡張するための仕組みであり、Enterprise Architectを代替・置換するものではありません。Enterprise Architectで作成したモデルを場所と端末にとらわれずに参照し、コメントなどを追加できます。
モデルの作成やダイアグラムの編集には、Enterprise Architectが必要です。
主な特徴:
- 作成したモデル全体を簡単に関係者と共有
- 関係者は、常に最新の内容をWebブラウザで確認可能となり、モデルの参照・レビューが可能
- Webブラウザからは問題点・テスト項目や要求・ユースケースなどの要素の作成も可能
- モデルの作成者は、レビューの結果を基にモデルを修正し、修正結果はリアルタイムにWebからの参照が可能
- ウォッチリスト機能で、モデル内の変更点を容易に把握可能

いつでも、どこでも、どのデバイスでも

スマートフォンでの表示イメージ
要素の作成
Webブラウザからは既存の要素に対して問題点・テスト項目・作業(タスク)などの項目を追加したり、要求・ユースケースなどの要素の作成が可能です。こうした機能を通して、モデルの作成者にレビュー結果やコメントをフィードバックできます。
変更点の把握
ウォッチ機能を利用すると、モデル内の変更の個数やその内容を把握できます。ウォッチする対象はカスタマイズ可能です。ウオッチの結果は、機能の実行時点でのモデルの内容に対してリアルタイムに確認した結果となり常に最新情報を得ることができます。
デバイスに依存しない
Webブラウザで表示される内容は、スマートフォンやタブレットからの利用も考慮しています。パソコンからの利用ではない場合でも、モデルの内容を効率的に参照できます。
モデルの探索支援
表示している内容のモデルブラウザ内の位置や、過去に表示した内容の履歴を参照できます。これにより、上位の内容や既に見た内容などに容易に移動できます。
ディスカッション
それぞれの要素に対するコメントなどは「ディスカッション」として参照・追加できます。ディスカッションはEnterprise Architectのサブウィンドウとしても表示可能であり、Enterprise Architectからの利用者とWebEAを通した利用者との間でのやりとりを行うことができます。

全体構成 イメージ
WebEA: サンプルWebサーバ
スパークスシステムズ ジャパンが適用するWebサーバで動作する、ProクラウドサーバおよびWebEAの表示内容を確認できます。:https://cloud.sparxsystems.jp/WebEA/
Prolaborate

モデルの内容を解析・分析し、さまざまなビューでモデルの状況把握を支援します。
主な機能:
- さまざまなビュー
- ユーザーごとに、表示できる内容・範囲を指定
- 最先端のユーザーインターフェース
- 動的なグラフとチャート
ProlaborateはProクラウドサーバのプラグインとして動作します。この製品は英語版です。日本語を含むモデルやダイアグラムの内容表示は可能です。
Proクラウドサーバに関する動画
Proクラウドサーバ
概要と利用までの簡単な手順
(8分29秒・音声あり)
WebEAを利用してモデルをWebブラウザで参照する
(17分1秒・音声あり)
他ツールとの連携
さまざまな他のツールにあるデータと、モデルを結びつけて情報の関係を定義・管理

Proクラウドサーバを利用すると、さまざまな外部ツールに定義されたデータと、Enterprise Architect内のモデルの要素とを関係づけることができます。外部ツールとの連携は連携プラグインを利用します。この連携機能の設定は、有償版のProクラウドサーバのみで行うことができます。設定したツールとの実際の関係づけは、コーポレート版以上のエディションで利用できます。
拡張フローティングライセンスサーバ

クラウドサーバにライセンスサーバが統合され、複数の拠点からのEnterprise Architectの利用の管理が容易になります。
また、ライセンスサーバからのライセンスの取得・開放をhttpsで行うことが可能となるため、拠点間の通信プロトコルが制限される場合にも対応しやすいです。ライセンスサーバのIPアドレスとして、IPv6が利用されている場合にも対応します。
OSLC RESTful API
OSLCインタフェースに準拠するAPIで、モデルの参照・取得と更新を実現

Proクラウドサーバが提供するOSLC RESTful APIを利用すると、モデルの内容を他のシステムから参照したり更新したりできます。OSLC/RDFに対応した既存のシステムが社内にあれば、すぐに連携できます。
注意:Proクラウドサーバのライセンスの保持する法人以外の法人・個人が、このOSLCのAPIを利用しモデルの内容を利用する場合、利用者はEnterprise Architectのライセンスを持っていることが必要です。
モデルの参照の制限
可視レベル
今までのクラウドサーバやDBMSリポジトリでのモデル共有では、プロジェクトを利用可能な人はプロジェクト内のモデルの全ての内容を参照できます。Proクラウドサーバで提供される可視レベルの機能を利用すれば、モデルの一部の情報については権限がある人のみが参照できるように設定できます。権限がない利用者は、バックエンドDBの直接アクセス(SQLの実行)でも権限がない情報は参照できません。
可視レベルは20までの数値で指定し、パッケージや要素に対して設定できます。該当のレベルの権限がない利用者は、設定されたパッケージや要素を参照できません。レベルの数値はプロジェクトごとに設定します。
可視レベルはリポジトリとして利用するDBMSとして、Oracle 8以降かSQLServer 2016のいずれかを利用する必要があります。可視レベルが設定されたプロジェクトは、コーポレート版以上のEnterprise Architectで利用できます。可視レベルの設定には、アルティメット版が必要です。

Proクラウドサーバの利用例
Proクラウドサーバは、社内ネットワーク(イントラネット)でもパブリッククラウド環境でも配置できます。

エディション
Proクラウドサーバには「無料版」「チームサーバ版」「エンタープライズサーバ版」の3つのエディションがあります。「トークン」は無料版と組み合わせて利用し、必要数のみをご購入いただいて利用する機能に割り当てて利用できる仕組みです。利用者数が少ない場合には、有償版のProクラウドサーバを購入するよりも割安に環境を構築できます。
機能 | エディション | |||
---|---|---|---|---|
無料版 | 無料版+トークン | チームサーバ版 | エンタープライズサーバ版 | |
Proクラウドサーバの基本機能 (外部サーバにプロジェクトを配置し Enterprise Architect内からhttp/httpsでアクセス) |
○ | ○ | ○ | ○ |
パッケージリポジトリの利用 | ○ | ○ | ○ | ○ |
時系列チャート要素の自動更新 | ○ | ○ | ○ | ○ |
拡張フローティングライセンスサーバ | ○ | ○ | ○ | ○ |
作成可能なWebEAプロジェクト数 | - | 7プロジェクトまで | 7プロジェクトまで | 制限なし |
WebEAの利用 | - | 1トークンにつき1名* | 人数制限なし | 人数制限なし |
OSLC Requirements Management 2.0の利用 | - | ○ | ○ | ○ |
OSLC RESTful APIの利用 (OSLC Architecture Management v2.0) |
- | 1トークンにつき1アクセス* | ○ | ○ |
Prolaborateの利用 | - | 1トークンにつき1名** | 人数制限なし** | 人数制限なし** |
外部ツール連携 | - | 1トークンにつき1ツール* | ○ | ○ |
可視レベル | - | - | ○ | ○ |
待機サーバ用ライセンスの発行*** | - | - | - | ○ |
*: 1つのトークンを、「WebEAの利用」「OSLCの利用」「Prolaborateの利用」「外部ツール連携」のいずれかに割り当てられます。トークンの消費はセッション単位です。例えば、1人のユーザーが同じOS・同じ環境から2つのWebブラウザでWebEAを利用する場合、トークンは2つ消費します。
**: 別途、Prolaborateのライセンスの購入が必要です。
***: 主となるサーバの停止時に利用する代替サーバのためのライセンスを1つ発行できます。主となるサーバとの同時利用はできません。
全エディションで共通の内容
- Enterprise ArchitectからのProクラウドサーバの基本機能の利用の人数には制限はありません。
- ご購入後、1年間動作する年間ライセンスです。1年間経過後は利用できなくなります。継続利用する場合、ライセンスを再購入する必要があります。
- 1台のサーバに複数のライセンスは設定できません。(トークンを除く)
「チームサーバ版」「エンタープライズサーバ版」およびトークンは、ご利用になるサーバの情報と紐付けたライセンスを発行します。
- ご購入後30日以内にサーバをインストールするマシンにて「ライセンス申請ファイル」の作成と送付が必要です。手続きの流れは、ダイレクト購入の場合は購入後のメールを、パッケージ購入の場合には納品される書面に従いユーザー登録すると送付されるメールをご覧ください。
- 「ライセンス申請ファイル」を作成したサーバと異なるサーバでは、ライセンス・トークンは利用できません。
- 「ライセンス申請ファイル」を弊社が受領後に開発元にライセンスを申請いたします。通常、2〜3営業日以内にライセンスファイルを送付いたしますが、オーストラリアの祝日や年末など、時期によっては時間がかかる場合があります。
- サーバの変更などでライセンスの再発行が必要な場合、1回目の再発行は無料です。2回目以降の再発行は、理由を問わず有償となります。
(期間の異なる複数のライセンスを利用している場合には、1回目の再発行から1年以内の再発行は有償となります。)
必要システム構成
Proクラウドサーバは、Windowsのサービスとして常駐し動作します。Proクラウドサーバの必要システム構成はこちらのページをご覧ください。
WebEAの必要システム構成は以下の通りです。下記条件を満たす環境であれば、Proクラウドサーバと同じマシンで動作させることもできます。
- ApacheあるいはMicrosoft IIS
- PHP 8.0以降
- Proクラウドサーバのプロセスと通信できること
- 各利用者は、HTML5 / CSS3に対応したWebブラウザが必要です。WebブラウザでJavaScriptが動作する必要があります。
Proクラウドサーバ(有償版・無料版)およびWebEAを利用するための手順を示したPDFドキュメント「Proクラウドサーバの利用のための手順書」もご覧ください。

購入
製品版のご購入につきましては、Enterprise Architectと同じく「ダイレクト購入」と「パッケージ購入」があります。
ダイレクト購入の場合の価格はこちらをご覧ください。パッケージ購入の場合の価格はオープン価格となりますので、お取引のある流通業者様にお見積もりをご依頼ください。
利用開始の時点でサポートが有効なEnterprise Architectを持っていることが必要です。製品のインストーラの取得に、有効なサポートIDが必要です。