スタンダードライセンスとフローティングライセンスの違い
ここでは、スタンダードライセンス(通常ライセンス・ノードロックライセンス)と、フローティングライセンスの違いについてご説明します。
ご注意: スタンダードライセンスとフローティングライセンスでは、製品の機能は同一です。例えば、「Enterprise Architectコーポレート版 スタンダードライセンス」と「Enterprise Architectコーポレート版 フローティングライセンス」では、ライセンスの利用形態の以外の、機能的な違いはありません。
スタンダードライセンス
スタンダードライセンスは、1ライセンスごとに特定の1名が割り当てられ、その特定の1名の利用者のみが利用する1台のマシンの1つのOSにインストールし、利用できます。さらに、その特定の1名の利用者のみが利用する別のマシン1台の1つのOSにもインストールし、排他的に利用することができます。2台にインストールした製品を同時に利用することはできません。
法人で購入したスタンダードライセンスに割り当てられた人が異動・退社などで恒久的に利用しなくなった場合に限り、そのスタンダードライセンスを同じ法人・部署内の別の利用者に移動して利用することができます。手順は、よくある質問「ライセンスキーを別のマシンに移す方法は?」をご覧下さい。
1つのスタンダードライセンスを1台の共有マシンにインストールし、複数人が利用することは使用許諾違反です。スタンダードライセンスの利用者を利用するごとに動的に変更し、結果的に複数人で共有する方法も使用許諾契約違反です。スタンダードライセンスは、利用する1名ごとに1ライセンスをご購入ください。
技術的に複数人が利用可能なマシンにEnterprise Architectをインストールして利用する場合には、そのマシンを利用することが技術的に可能である人数分のスタンダードライセンスが必要です。例えば、実際に利用する人数が3名でも、そのマシンを技術的に利用可能な人数が30名の場合(例えば部署に所属する30名全員が利用可能な共有マシンの場合など)には、30ライセンスが必要です。また、外部向け研修での利用など、ライセンスの利用者が変わる状況ではスタンダードライセンスは利用できません。これらの状況では、フローティングライセンスをご利用ください。
アカデミックライセンスは、スタンダードライセンスと同じ扱いになります。
フローティングライセンス
フローティングライセンスを利用する場合には、ライセンスの本数を超えるマシンにインストールすることができます。そして、同時に利用する数が購入ライセンス数を超えない限り、自由に利用することができます。
例えば、フローティングライセンスを2本購入した場合を考えます。スタンダードライセンスの場合には特定の2名のみインストールし利用することができますが、フローティングライセンスの場合には下の図のように2名を超える利用者がインストールできます。そして、同時に購入したライセンス数(この例では2台)までのマシンで起動・利用できます。
3台目からは起動することができませんので、他の人がライセンスを開放するのを待つ必要があります。既定の設定ではEnterprise Architectを終了するとライセンスはライセンスサーバに戻され、他のマシンでEnterprise Architectを起動できるようになります。
フローティングライセンスの補足・注意事項
- フローティングライセンスを利用する場合には、「ライセンスサーバ」と呼ばれるサーバを1台設置する必要があります。Enterprise Architectの起動時に、ライセンスサーバとして指定したマシンに対してライセンスキーの取得処理を実行します。
(このライセンスサーバのプログラムは購入後に無料で利用できます。Windowsでのみ動作する、独自形式の常駐プログラム(サービス)です。) - フローティングライセンス・ライセンスサーバの設定等の詳細は、「フローティングライセンス マニュアル」
をご覧下さい。
- トレーニング(研修)などで、不特定多数の利用者が利用する場合には、フローティングライセンスの利用が必要です。トレーニング(研修)を実施するマシンの台数分のフローティングライセンスをご購入ください。
- プロフェッショナル版のフローティングライセンスは、Enterprise Architect バージョン14.0で対応しました。バージョン13.5以下のEnterprise Architectではプロフェッショナル版のフローティングライセンスは利用できません。
どちらのライセンスを選択するべきか?
法人での利用において、スタンダードライセンスとフローティングライセンスのどちらを選択するか、について参考となる指針を紹介します。
- スタンダードライセンスの場合には、一人の利用者が占有するマシンについて、最大2台にインストールして排他利用できます。起動時に通信環境は不要です。ただし、ライセンスを割り当てた利用者が異動や退職などで、恒久的にEnterprise Architectを利用しない場合以外の理由では、利用者を変更することはできません。
- フローティングライセンスの場合には、ライセンスサーバと通信ができる環境でなければライセンスを取得できません。ただし、購入したライセンス数以上のマシンにインストールし、購入したライセンス数の範囲内で自由に利用できます。
- 設計開発の担当者など常時製品を利用する人数分のスタンダードライセンスを購入し、それ以外の人の利用のために必要数だけフローティングライセンスを購入することも一つの方法です。
- スタンダードライセンスはフローティングライセンスにアップグレードすることができますが、逆はできません。
複数製品・アドインのフローティングライセンスを組み合わせた場合の動作
フローティングライセンスのライセンスサーバには、複数の製品、例えばEnterprise ArchitectとRedmine連携アドインのフローティングライセンスを登録し利用できます。どのアドインを利用するかどうかは、それぞれの利用者側の設定で決まります。
(「ホーム」リボン内の「ヘルプ」パネルにある「ライセンスの管理」ボタンを押すと表示される画面で、どの製品・アドインを利用するかを指定できます。)
例えば、Enterprise Architectのみを利用する設定のマシンでEnterprise Architectを起動した場合には、Redmine連携アドインのライセンスは消費しません。Enterprise ArchitectとRedmine連携アドインの両方を利用する設定のマシンでEnterprise Architectを起動した場合には、起動時に両方のライセンスを取得します。同様に、RaQuestを利用する設定にしてある場合には、RaQuestを起動しない場合でも、Enterprise Architectを起動するとRaQuestのフローティングライセンスも取得し利用状態になります。
このように、どのライセンスを利用するかは、それぞれの利用者のEnterprise Architectの設定によって決まります。