Enterprise Architect 16.0の新機能のご紹介
ここでは、Enterprise Architectの最新版であるバージョン16.0の情報をお知らせします。いくつかの機能は利用できるエディションが限定されます。
バージョン16.0は2022年4月28日にリリースいたしました。
バージョン16.0の主な強化ポイント
バージョン16.0は、64ビット対応や新しい形式のプロジェクトファイルの提供など、皆様の利用に大きな影響を与える変更が含まれます。
そのほかにも、多数の細かい機能強化・バグ修正が含まれます。新バージョンの概要につきましては、以下のPDFドキュメントをご覧ください。
Enterprise Architect16.0 機能ガイド
64ビット版のEnterprise Architectの提供
バージョン15.2までのEnterprise Architectは、32ビット版のアプリケーションでした。現在、Enterprise Architectを利用している方の多くが64ビットOSを利用しているということや、Windows11では64ビットOSのみが提供されることもあり、バージョン16.0において32ビット版だけでなく、64ビット版も提供することとなりました。
64ビット版を利用することで、非常に大きなドキュメントの出力や非常に多くのソースコードの読み込みなどに32ビットアプリケーションの制限でメモリ不足となる問題が解決できます。
また、特にmacOSにおいて、無料で動作させるためのWineが利用できない問題についても解決され、最近のmacOSでは有料製品のCrossOverが必須であった点が改善されます。
64ビット版のEnterprise Architectでは、設定情報を保存するレジストリ位置の変更やアドインへの影響など、注意すべき点があります。具体的な内容は「Enterprise Architect16.0 機能ガイド」およびこのページ下方の「よくある質問・問題点」をご覧ください。
なお、バージョン16.0は32ビット版と64ビット版の両方を提供しています。EAPXファイルの利用やアドイン設定の維持など、過去のバージョンとの継続性を重視する方は、32ビット版をご利用ください。プロジェクトは、32ビット版・64ビット版の区別はなく、どちらでも利用できます。
新しい形式のプロジェクトファイル・QEAファイルの提供
バージョン15.2までは、拡張子EAPXのファイルが長らく既定のプロジェクトファイルとして利用されていました。バージョン16.0で、拡張子QEA/QEAXのプロジェクトファイルを導入し、新規にプロジェクトファイルを作成する場合、この形式のファイルになります。
この拡張子QEAのファイルは、SQLite 3形式のファイルです。性能面・品質面での改善ができるほか、Enterprise Architect独自の機能追加によりファイルの共有や複製機能の利用も可能となっています。
(ファイル共有する場合には、拡張子をQEAXにする必要があります。QEAとQEAXは形式は全く同じですが、QEAXの場合には複数人での利用のための追加制御を行います。)
なお、既存のEAPXファイルからQEAファイルへの変換が可能です。ヘルプ「拡張子EAP・EAPXのファイルを開くには」をご覧ください。JET3.5形式のEAPファイルなど、16.0以降では常に利用できない形式のファイルの場合には変換ツールが起動します。
その他の機能改善・機能強化
機能ガイドに記載の内容のうち、特に日本のお客様からご意見・ご要望をいただいていた内容をいくつかピックアップして紹介します。
- 接続を曲線的に表現する「ベジエ」スタイルが、ダイアグラムの種類や接続の種類に依存せず利用できるようになりました。また、2カ所以上の頂点を追加し、複雑な曲線が表現できるようになりました。
- 複数名で1つのプロジェクトを利用している場合に、ダイアグラムに変更があったかどうかを定期的に確認する設定を追加しました。
- DBMSリポジトリへの直接接続を実現し、ODBCドライバが不要になりました。
- モデルブラウザ内で、ノートやサブジェクト(境界)など従来は表示されていなかった要素も表示されるようになりました。
概要紹介の動画
バージョン16.0の主な改善点・強化点を動画で説明します。(音声あり)
機能ガイド
Enterprise Architect16.0 機能ガイド
よくある質問・問題点
64ビット版に固有のよくある質問・問題点
バージョン15.2以前のEnterprise Architectをご利用の方が64ビット版のバージョン16.0にアップグレードした場合の「よくある質問・問題点」とその回答を記載します。32ビット版と64ビット版に共通の内容は、「よくある質問(FAQ):インストールについて」もご覧ください。
- 今まで利用していた設定が初期化された
- 32ビット版である過去のバージョンのEnterprise Architectの設定は引き継がれません。再設定をお願いします。
(あるいは、32ビット版のバージョン16.0をご利用ください。) - 再度アクティベーションコードの入力を要求された
- アクティベーションコードの再入力が必要です。アクティベーションコードについてはヘルプをご覧ください。
- 今まで利用していたアドインが消えた
- 32ビット版である過去のバージョンのEnterprise Architectのアドインの設定は引き継がれません。利用するアドインを再インストールしてください。
(あるいは、32ビット版のバージョン16.0をご利用ください。) - なお、動作期間限定アドインにつきましては、「スパークスシステムズ ジャパン アドイン更新ツール」を利用すると簡単に再インストールできます。
- 今まで利用していたアドインを再インストールしても動作しない
(「アドインの管理」画面に表示されない、あるいは「アドインの管理」画面には表示されるがエラーになっている) - スパークスシステムズ ジャパンが提供するアドインは、最新版をダウンロード・インストールすることで動作します。(64ビット版対応予定のないコラボレーションアドインを除く)
- アドインにより、32ビット版・64ビット版のインストーラが分かれている場合もありますのでご注意ください。
- 最新版のインストールで解決しない場合、64ビット版のEnterprise Architectに対応していない可能性が高いです。アドインの開発元にご確認ください。
- EAP/EAPXを開こうとするとそのまま開けない
- EAP/EAPXファイルをダブルクリックしてもEnterprise Architectが起動するのみでファイルが開かない場合には、利用するための条件を満たしていない形式のファイルです。
- 拡張子EAPのファイルは、常に変換のためのダイアログが表示されます。変換した結果、日本語文字の文字化けが発生する場合の対処方法は、「日本語との親和性の高いEAPファイルの利用」のページをご覧ください。
- 拡張子EAPXのファイルは、64ビット版のMicrosoft Accessのランタイムライブラリがある環境であればそのまま開くことができます。詳細はヘルプをご覧ください。ランタイムライブラリがない環境では開くことはできません。あるいは、32ビット版のバージョン16.0を利用することで、変換せずに既存のEAPXファイルを開くことができます。
- EAPXファイルを開くと、ADODB.Connection 0x800a0e7a「プロバイダーが見つかりません。正しくインストールされていない可能性があります。」のエラーが表示される
- 64ビット版のMicrosoft Accessのランタイムライブラリがないことが理由です。詳細はヘルプをご覧ください。
- 複製機能が有効になっているEAPXファイルで複製機能に関するメニューが利用できない
- 64ビット版のEnterprise ArchitectではEAPX(MS-JET)の複製機能は利用できません。32ビット版のEnterprise Architectを利用するか、複製機能を解除してご利用ください。複製機能が必要な場合、複製機能を解除後にQEAファイルに変換し、QEAファイルの複製機能をご利用ください。
- なお、EAPXファイルの複製機能はサポートの対象外です。QEAファイルの複製機能はサポートの対象です。
- 同じバージョン・ビルドなのに、EAPXファイルをそのまま開けるマシンとそうでないマシンがある
- EAPXファイルをそのまま開けるマシンには、64ビット版のMicrosoft Office(Accessを含むエディション)がインストールされていませんか? 64ビット版のMicrosoft OfficeのインストールにAccessのランタイムライブラリが含まれますので、EAPXファイルを開くことができます。
- 変換機能でQEAファイルに変換すると「指定されたディレクトリには有効なXMLファイルがありません」のエラーが表示される
- この問題は修正済みです。ビルド1605.1以降をご利用ください。
以前のバージョンの強化ポイント
Enterprise Architectバージョン15.2での強化ポイントについては、こちらのページをご覧ください。