ReqIFの読み込み

ReqIFとは?

要求交換フォーマット (Requirements Interchange Format: ReqIF)とは、要求(要件)および関連する情報をツール間でやりとりするために定義されたXMLのスキーマ定義です。ReqIFに準拠したファイルを利用することで、対応するツール間で要求情報をやりとりできます。UMLやSysMLと同様に、OMG (Object Management Group)によって仕様が策定・管理されています。現在のバージョンは1.2です。

ReqIFアドイン

このページ下部からダウンロードできるReqIFアドインをインストールすると、ReqIFで定義されている内容を、Enterprise Architectの要求要素として読み込むことができます。読み込んだ内容は、RaQuestの要求としても扱うことができます。Enterprise ArchitectやRaQuestに読み込むことによって、その情報自体をツール内で参照できるようになるほか、他の設計要素とのトレーサビリティの定義・参照に利用できます。

なお、このアドインは、オープンソースとして公開されているhoReverseに含まれる、ReqIFの読み込み処理を流用しています。この場をお借りして、作者であるHelmut Ortmann氏にお礼申し上げます。hoReverseには、ReqIFの読み込み機能以外にも非常に多くの機能が搭載されているため、ReqIFの読み込み機能のみを利用したい人にとっては敷居が高い点と、単純にファイルを指定して読み込むことはできず、JSONの設定ファイルへの詳細な設定が必要である点が、このReqIFアドインを作成しようと考えた理由です。

ReqIFアドインについてのご質問・ご要望・バグ報告などにつきましては、弊社に連絡してください

ReqIFの読み込み

  1. モデルブラウザ内で読み込み対象のパッケージを右クリックし、「アドイン・拡張」→「ReqIF」→「ReqIFファイルの読み込み」を実行してください。
  2. 表示されるダイアログで、読み込み対象のReqIFファイル(*.reqifあるいは*.reqifz)を指定してください。また、要求の形式を、Enterprise Architect独自の要求要素にするか、SysML 1.5の要求要素にするかを指定してください。
    • EA独自の要求要素
      1. それぞれの要求は、Enterprise Architect独自の要求要素として作成します。
      2. 要求間の関係は、依存の接続で表現します。
      3. 要素の名前は、IDと見出しの内容を結合したものになります。
      4. プロパティ「キーワード」に、ReqIFのIDを保持します。
      5. 要求間に階層関係がある場合、モデルブラウザ内でその親子関係を表現すると同時に、ネスト(包含)の接続を追加します。
      6. 要素の説明は、ノートとして保持するほか、付属ドキュメントとしても保持します。付属ドキュメントには、ノートとして保持できない表構造などを維持した形で保持します。
      7. IDの内容は、別名としても保持します。
      8. 上記以外の内容はタグ付き値として保持します。
    • SysML1.5 要求
      1. それぞれの要求は、SysML 1.5の要求要素として作成します。
      2. 要求間の関係は、導出(deriveReqt)の接続で表現します。
      3. 要素の名前は、見出しの内容になります。
      4. プロパティ「キーワード」とタグ付き値idに、ReqIFのIDを保持します。タグ付き値textには要素の説明を保持します。
      5. 上記「EA独自の要求要素」の5番目以降の項目は、SysML1.5 要求を選択した場合も同じです。
  3. OKボタンを押すと読み込みを実行します。読み込み中のエラーや警告などは、出力サブウィンドウに表示されます。

注意事項

  • 読み込みを実行しても、ダイアグラムは作成されません。必要に応じてダイアグラムを作成し、読み込んだ内容を配置してください。
  • 既に読み込み済みのパッケージに対して読み込みを実行すると、既存の要素への同期更新となります。既存の要求要素で、読み込んだファイルに含まれない要素は、Trashパッケージに移動します。要求間の接続は、常に削除し再作成になります。
  • 読み込んだ内容をRaQuestの要求としても扱う場合には、RaQuestの要求パッケージに対して実行し、「EA独自の要求要素」形式を選択してください。
  • 読み込んだ内容をSysML 1.5の要求図に配置すると、このアドインが追加した、読み込み元ファイルの情報を保持するタグ付き値も表示されます。ダイアグラムのプロパティの「属性・操作」グループで以下のように非表示の項目として設定すると、非表示にできます。

    • ReqIF.ChapterName
    • ReqIF.ForeignCreatedBy
    • ReqIF.ForeignCreatedOn
    • ReqIF.ForeignID
    • ReqIF.ForeignModifiedBy
    • ReqIF.ForeignModifiedOn
  • このアドインをインストールしても、「アドイン・拡張」リボンにはボタンは追加されません。正しくインストールできたかどうかの確認には、モデルブラウザ内のパッケージを右クリックし「アドイン・拡張」→「ReqIF」が表示されるかどうか、および「アドインの管理」ダイアログでReqIFアドインが「有効」になっているかどうかでご確認ください。
  • ReqIFファイルに複数のモジュールが含まれている場合、最初に見つけたモジュールの要求のみを読み込みます。
  • このアドインの動作確認には、DOORS 9.6で作成したReqIFファイルを利用しています。

現在の注意事項・制限事項

下記の内容は、現時点での注意事項・制限事項です。

  • 出力サブウィンドウに表示されるメッセージは英語です。また、元の処理で定義されている内容そのままのため、わかりづらい点があるかもしれません。
  • 多くの添付ファイルは読み込めません。
  • 読み込み先となるプロパティやタグ付き値は固定です。

読み込みの動作確認は、サンプルデータでのみ行っています。そのため、特定のデータでエラーが出る・読み込み結果がおかしい、などの問題があるかもしれません。サポート窓口に該当データを送付していただければ、できる限り対応します。

ReqIFアドインのダウンロード

ReqIFアドインは、以下のリンクからダウンロードできます。このアドインは、動作期間限定アドインです。
addin_ReqIFAddin.zip

サポートが有効なお客様のみダウンロードできます。インストール方法はこちらをご覧下さい

Microsoft Edgeブラウザをご利用の方へ
アドインのZIPファイルをダウンロードすると、Microsoft Defender SmartScreen機能によりダウンロードができない(ように見える)場合があります。この場合には、こちらのページに記載の手順で回避をお願いします