Enterprise ArchitectでRDRA 2.0を利用する
RDRAとは?
RDRAとは神崎善司氏が考案したリレーションシップ駆動要件分析(Relationship Driven Requirement Analysis)の略語であり、網羅的で整合性のある要件定義をUMLの表現力を使って要件定義としてまとめる手法です。最新版はRDRA 2.0で、書籍「RDRA2.0 ハンドブック: 軽く柔軟で精度の高い要件定義のモデリング手法」に詳細が記載されています。
RDRAの詳細は、上記書籍やリレーションシップ駆動要件分析のWebサイトをご覧ください。
RDRAアドイン
このページ下部からダウンロードできるアドインをインストールすると、RDRA2.0に関係するテンプレートや機能が利用できるようになります。Enterprise Architect バージョン15.0以降で動作します。基本的にはすべてのエディションで利用できますが、プロフェッショナル版に限り「バリエーション」「名前づけられた式」「表条件」の編集はできません。
なお、このアドインはスパークスシステムズ ジャパンが独自に企画・作成しているものです。RDRAの提唱者である神崎様および弊社パートナーの株式会社バリューソース様とは、直接の関係はありません。RDRAアドインについてのご質問・ご要望・バグ報告などにつきましては、弊社にご連絡ください。
なぜRDRAアドインを使う必要があるのか?
RDRAの内容は、作図ツールなどモデリングツール以外のツールを利用しても、定義されている絵を描くことは可能です。しかし、単なる作図では、RDRAの最初の「R」でありキモでもあるRelationshipを十分に扱うことはできません。作図ツールでは、次の図の青色の吹き出しにある、1枚の図内でのつながりのみが表現・参照できます。
RDRAには、上の図の黄色の矢印のような複数の図をまたがる関係や、赤色の矢印のような特定の要素の詳細を別の図で表現する関係もあります。モデリングツールならば、これらの関係も定義・追跡可能です。例えば、RDRAにおいてアクターはさまざまな図で利用されますが、モデリングツールを利用することでどの図で利用されているのか把握することが可能になります。名前を変更すると、全ての図で変更が反映されます。
(下の動画の内容もご覧ください。)
RDRAアドインを利用したダイアグラムのサンプル
以下のダイアグラムは、書籍「RDRA2.0 ハンドブック: 軽く柔軟で精度の高い要件定義のモデリング手法」に記載のダイアグラムを、RDRAアドインを利用して作成したものです。クリックで拡大表示できます。
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RDRAアドインを利用した、RDRAの進め方
初めてRDRAアドインを利用する場合には、マニュアルを見ながら実際にEnterprise Architectを操作してみてください。
RDRA アドイン 利用準備マニュアル(PDF) ダウンロード
RDRA アドイン 利用チュートリアル・マニュアル(PDF) ダウンロード
上記の利用チュートリアルの内容の概要を動画で説明しています。(16分50秒・音声あり・この動画で利用しているRDRAアドインは最新版ではないため、表示が異なる点があります。)
RDRAアドインの便利な機能を動画で紹介しています。(5分56秒・音声あり)
RDRAアドインのダウンロード
RDRAアドインは、以下のリンクからダウンロードできます。
- Enterprise Architect バージョン15.2以前および16.0以降の32ビット版:
setupRDRA.msi
- Enterprise Architect バージョン16.0以降の64ビット版:
setupRDRA_64.msi
ダウンロード・利用は無料です。Windows Installer形式のインストーラですので、ファイルをダブルクリックしてインストールできます。Enterprise Architectをインストールしたディレクトリと同じ場所にインストールしてください。
このアドインは、Enterprise Architect バージョン15.0で追加される機能を利用しているため、利用にはバージョン15.0以降が必要です。また、現在はDBMSリポジトリ上のプロジェクトには対応していません。
CFDとの連携
CFDアドインで利用可能になるCFD(Cause Flow Diagram・原因流れ図)にRDRAのバリエーション要素をドロップすることで、同値分割図要素として配置・利用できます。概要は、CFDアドインのページにある動画をご覧ください。
RaQuestとの連携
スパークスシステムズ ジャパンが提供する要求管理ツールRaQuestを利用すると、RDRAで定義された要求要素について、さらに詳細な属性(優先度・難易度・担当者など)を追加し、要求を管理できます。
RaQuestと連携させるためには、対象のプロジェクトで事前にマニュアルに記載の「モデルの調整」機能を実行してください。RaQuestとの連携情報を追加します。
RaQuest(ビルド137以降)を起動し、RDRAテンプレートを適用したプロジェクトファイルを開いてください。RaQuestの初期設定の中で、要求が含まれているパッケージを選択することで、RDRAで作成した要求をRaQuestで参照・編集できます。