日本語との親和性の高いEAPファイルの利用

Enterprise Architect英語版のEAPファイルは、MicrosoftのAccess97と同じデータベースであるJETを利用しています。このJETにはバージョンがあり、バージョン3.5はAccess97に対応します。バージョン3.5のJETのEAPファイルでは、日本語文字列の扱いを考慮していないため、いくつかの状況で文字化けが発生する場合があります。

一方で、Enterprise Architect日本語版で新規にEAPファイルを作成する場合は、UNICODEにも対応しているJET4.0形式のEAPファイルが作成されます。バージョン4.0のJETのEAPファイルは、内部の文字処理はUNICODEを利用して行っています。そのため、こうした問題は発生しません。

また、Enterprise Architect(日本語版・英語版)のバージョン14.0以降での既定の形式である拡張子EAPXのファイルも、JET4.0形式のファイルです。そのため、EAPXファイルの場合には、Enterprise Architect日本語版・英語版のどちらで作成した場合でも、日本語の文字化けは発生しません。

EAPファイルを利用する

Enterprise Architect日本語版で作成したEAPファイルは、拡張子をEAPXに変更してください。前述のように、Enterprise Architect日本語版では、EAPとEAPXは同一です。

Enterprise Architect英語版で作成したEAPファイルなど、JET3.5形式のEAPファイルの場合には、拡張子の変更では対応できません。内容をEAPXファイルやFEAPファイルに転送することで解決できます。プロジェクトファイル間で転送処理(「プロジェクト」リボン内の「ツール」パネルにある「転送」→「プロジェクトの転送」)をしてください。

バージョン16.0以降の64ビット版ではEAPファイルを扱うことはできません。QEAなど他の形式に変換してください。ただし、バージョン16.0以降の「EAP/EAPXファイルの変換」の機能でEAPファイルを他の形式に変換する場合には、プロジェクトに含まれる要素の名前などの日本語の文字化けが発生します。JET3.5形式のEAPファイルをQEAファイルに変換する場合には、以下のいずれかの方法で変換が必要です。

  • バージョン15.2までのEnterprise Architectの「プロジェクトの転送」機能を実行し、EAPファイルからFEAPファイルに内容を転送し、その後、Enterprise Architect バージョン16.0以降の「プロジェクトの転送」機能でFEAPファイルからQEAファイルに変換する
  • バージョン16.0以降の32ビット版のEnterprise Architectの「プロジェクトの転送」機能を実行し、EAPファイルからQEAファイルに内容を転送する

いずれの場合も、文字化けをする場合には「EAP/EAPXファイルの変換」の機能を利用するのではないことにご注意ください。

EAPファイルのバージョンを判定する

前述のように、EAPファイルにはJET3.5と4.0の2種類のバージョンがあります。英語版で作成したEAPはJET3.5、日本語版で作成したEAPはJET4.0です。このバージョンをファイルから判断する方法はありません。

Enterprise Architect バージョン15.2までのバージョンでは、「ホーム」リボン内の「オプション」パネルにある「ユーザー」を実行すると表示されるユーザーオプションの画面にある「JET 4.0を利用(再起動が必要)」の設定があります。このチェックを外した状態でEAPファイルを開くことができる場合は、JET3.5形式のEAPファイルです。「データベースの形式を認識できません」(Unrecognized database format)のエラーが表示される場合は、JET4.0形式のEAPファイルです。