アクティビティ図とアクティビティ要素



UML2.0以降では、アクティビティ図にはアクティビティ要素は配置しません。
動作を記述するためには、アクション要素を配置・利用します。

この点は未だに広く周知されていないように感じられ、サポートには以下のような
お問い合わせが定期的に寄せられます。

・アクティビティ要素間で、クイックリンクを利用して
 コントロールフローが書けない
・「作成時に文法をチェックする」のオプションが有効の場合には
 ツールボックスから書こうとしても、文法違反と言われて作成できない


ただ、この点はツール側にも原因の一端があると思います。UML1.xでは
正しい利用方法でしたので、互換性の観点から、しばらくの間は配置・利用を許容して
いました。バージョン14.0で、アクティビティ要素をアクション要素の代替として
使えないように変更し、その後から上記のような問い合わせがあります。

また、アクティビティ要素を使わないわけではありませんので、ツールボックスには
アクティビティ要素を含める必要があり、それも誤解を助長することにつながっていると思います。
(ささやかな対応ですが、以前はアクティビティ要素がツールボックスの上位にあったのを
アクション要素の方が上位になるように、途中で順序を入れ替えています。)

さまざまな資料やスライドなどでも、アクティビティ要素で処理の流れを表現している
例が今でもときどき見受けられます。
(Enterprise Architectであれば、名前の表示位置や要素の色(種類ごとに色を変える
設定の場合、アクティビティ要素は黄色でアクション要素は橙色)から
どの要素を利用しているのか、推測できます。)

ツールの動作は、UML等の仕様を前提としていますので、より便利に使うためにも
今一度、作成したモデルの内容を見直してみてください。