Win32画面設計のシミュレーション

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Win32画面設計のシミュレーション

Enterprise Architectでは、「Win32画面設計」の機能を利用して定義した画面と、シミュレーション機能を連動させることができます。これにより、システムの振る舞いをアクティビティ図などで定義し、その振る舞いを画面を含めて確認することができます。

 

Win32画面設計のボタン要素について、クリックしたときに独自の処理を呼び出すことができます。例えば、シミュレーション時のシグナルの発生に利用することもできます。シグナルには、エディットボックスに入力された内容を属性として含めることもできます。

 

シミュレーションを実行する振る舞いモデルと同じパッケージ内にWin32のダイアログ要素を作成すると、シミュレーションの実行時にはそのダイアログを非表示の状態で作成します。ダイアログやそのダイアログに配置されたGUI要素は、そのタグ付き値の値を変更することによって見た目や表示内容を調整できます。

 

実行時に、定義した画面を呼び出したり操作したりするためには、JavaScript形式で記述するシミュレーション動作のなかで、「dialog」というキーワードを利用します。このdialogを利用すると、画面の表示・非表示の切り替えや、画面の表示内容の変更ができます。以下は定義の一例です。

 

dialog.Login.Show=true;

dialog.Login.Username.Text="admin";

 

 

サンプル

Win32画面設計のシミュレーションのサンプルは、サンプルプロジェクトに含まれています。サンプルプロジェクトを開き、

「シミュレーション | ステートマシン図のサンプル | 顧客のログイン」 とリンク(ナビゲーションパネル)を辿ってください。

 

 

共通のプロパティ

以下の項目は、 Win32 UI のコントロール要素の共通のプロパティです。

 

プロパティ・メソッド

説明

Enable

Boolean

画面での操作が可能かどうかの指定です。

Move To

(x,y,width,height)

指定した位置・大きさにウィンドウやコントロールを移動します。

Show

Boolean

ダイアログの表示・非表示を設定します。Falseを設定すると非表示になりますが、ダイアログ自体はそのまま存在しています。

Text

String

ダイアログなどのタイトルを設定します。

 

 

JavaScriptのメソッド

項目

説明

BroadcastSignal

(string Signal)

シミュレーションの全体に対してシグナルを発行します。

 

引数 :

  • Signal: String – 発行するシグナルの名前です。同名のシグナル要素が存在する必要があります。

UIBroadcastSignal

(string Signal,

array Parameters)

シミュレーションの全体に対して、パラメータを指定してシグナルを発行します。

 

引数 :

  • Signal: String – 発行するシグナルの名前です。同名のシグナル要素が存在する必要があります。
  • Parameters: Array – シグナルに関係する追加のパラメータを指定します。

 

UIBroadcastSignal("Login",{Name: dialog.Login.Username

.Text,Password: dialog.Login.Password.Text});

ShowInterface

(string InterfaceName,

boolean Show)

過去との互換性のために残されています。

表示するかどうかを切り替えるには、以下の例のようにShowプロパティを利用して下さい。

dialog.HelloWorld.Show = true;

InterfaceOperation

(string InterfaceName,

string ControlName,

string OperationName,

[string arg1],

[string arg2])

過去との互換性のために残されています。

現在は、UIコントロールのメソッドは以下の例のように直接呼び出しできます。

 

dialog.HelloWorld.ListControl.InsertItem("Test", 2);

GetInterfaceValue

(string InterfaceName,

string ControlName,

string OperationName,

[string arg1],

[string arg2])

過去との互換性のために残されています。

現在は、UIコントロールの属性は以下の例のように直接参照できます。

 

dialog.HelloWorld.EditControl.Text;

 

注意:

  • UIコントロールは、必ずダイアログ内に配置して下さい。ダイアログの外にある(モデルブラウザにおいてダイアログの子要素になっていない)UIコントロール要素は、シミュレーションの対象外となります。
  • ダイアログおよびUIコントロール要素は、Win32画面設計の要素である必要があります。
  • ツールボックスの「汎用 画面設計」グループの要素および「画面設計」グループの要素を利用することができますが、このページで説明している機能で利用できないものがあります。
  • ダイアログやUIコントロールの名前は、一意である必要があります。同名の要素が存在する場合には、シミュレーションは正しく動作しません。
  • ダイアログやUIコントロールの名前に空白文字を含む場合には、シミュレーションでは下線(アンダースコア・_)文字に置換されます。
  • ダイアログやUIコントロールの名前は、大文字小文字を区別します。

 

 

参照: