要求の表現

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要求の表現

要要求はプロジェクトの成功のための基本的な情報です。多くの組織では、要求を表計算ツールや文書作成ツールなどで、文章として保持・管理しています。これらの要求情報は、参照・更新などの管理が容易ではありません。Enterprise Architectを利用することで、要求はモデル内の要素として扱われます。要求をダイアグラムに配置して可視化したり、要求に関係するステークホルダーと要求を結びつけたり、ユースケースやコンポーネントなどの設計要素と要求を関連付け影響範囲を把握したりすることができます。

 

状態・フェーズ・複雑度や難易度などのプロパティをそれぞれの要求ごとに設定できます。これらの情報は要求の把握や管理に役立ちます。

 

 

トピック:

項目

説明

要求の表現方法

Enterprise Architectでは、2種類の要求の表現方法があります。

  • 外部の要求 - システムやプロセスに求められること・システムやプロセスが提供しなければならないことなどを要素としてモデリングします。具体的には、ビジネス要求や利害関係者からの要望などが該当します。 - 要素としての要求は、独自のプロパティを持ちます。また、この形式の要求は、要求管理ツールRaQuestで詳細・厳密に管理することができます。また、RaQuestで定義した要求は、この形式の要求として保存されます。

 

  • 内部の要求 - 責務とも呼ばれます。ある要素が達成しなければならないことを、その要素のプロパティ画面で入力することができます。

 

Enterprise Architectでの要求のモデリングは、主に外部の要求の形で行われます。そして、その要求を実現する要素と関連づけます。

モデル内での要求

要求要素は、要求図でグループにまとめることができます。階層構造を構築する場合には、要求間を集約の関係で結びます。

 

 

要求項目を階層化して表現することは一般的に行われます。このような場合に、モデルブラウザ内で要素に対して番号表示を行うことで、番号で区別することができるようになります。

 

下の図は、この番号表示の機能を有効にした例です。

要素を移動したり削除したりした場合には、この番号は自動的に設定し直されます。

ここで表示されている番号は、ドキュメントの出力時にも適用・出力することができます。

ユースケース

外部の要求はユースケース要素・クラス要素・インターフェース要素・コンポーネント要素などによって実装(実現)されます。関連づけられた要素と要求要素との関係を追跡するには、さまざまな方法があります。例えば、追跡図では、要求要素と要素の関係を明示的に示します。この場合、要求要素と要素の間は実現の関係で接続されます。

 

 

この場合の一般的な関係は、要求要素とユースケースの間の関係です。要求要素とユースケースの間の関係は多対多になります。

RaQuestを利用している場合には、要求からユースケース要素を自動的に生成することができます。生成直後は1対1の関係ですので、マトリックスを利用して多対多の関係を構築します。

 

一般的に、要求は達しなければならない状況を定義します。

一方で、ユースケースは、その状況に達するために、どのようにするのか、という点に主眼をおきます。ユースケース図では要求される結果を達成するためにアクション・プロセス・コンポーネントを論理的にグループ化します。アクター要素は、利用者や外部のシステムを表し、そのプロセス内でどのように関係するかを定義するために利用されます。

 

それぞれのユースケース要素は (子ダイアグラムの形で)その詳細な情報を保持します。アクティビティ図などで振る舞いを定義します。

ユースケースの実装はクラス要素・コンポーネント要素・インターフェース要素などが担当します。このユースケース要素から先の関係は、追跡図で表現され、追跡の関係で結ばれます。このようにすることで、要求から実装までの関係を追跡することができるようになります。