シンプルスタイル

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シンプルスタイル

Enterprise Architectでは、作成するダイアグラムをUMLなどの表現ではなく、シンプルな四角形と矢印で構成されるような図として表現することもできます。Officeツールのオートシェイプで作図した図に近い図を作成することができますので、モデルの概要をシンプルに伝える場合に有用です。ダイアグラム内の個々の要素はグラデーションなどの表現のないシンプルな四角形として表示されます。また、いくつかの装飾を施すことができます。

 

ビジネスの概要やアーキテクチャ・システムのやりとりやシナリオなどをシンプルに表現し、ビジネスの利用者やCEOなどのUMLなどの記法を知らない人に伝える場合には、ダイアグラムの内容をシンプルにすることが有用です。作成したダイアグラムをシンプルスタイルで表現できますので、別途ダイアグラムを作り直す必要もありません。

 

このシンプルスタイルは、どのダイアグラムにも適用できます。一方で、シンプルスタイルを適用したまま、要素や接続を追加することもできます。必要に応じて表示形式を自由に切り替えることができます。

 

注意:

この機能はコーポレート版以上で利用できます。

 

 

利用手順:  

既存のダイアグラムをシンプルスタイルで表示する

既存のダイアグラムをシンプルスタイルで表現することもできます。ダイアグラムを選択し、プロパティサブウィンドウの「書式設定」グループにある「シンプルスタイル」にチェックを入れてください。

 

基本的には、ダイアグラム内の全ての要素はシンプルスタイルでの描画となります。白色の四角形で表示され、名前は四角形の中央に表示されます。ノートの内容を要素内に表示する設定になっている場合には、要素名の下に括弧に囲まれてノートの内容が表示されます。それ以外の内容は表示されません。なお、ポートなどの付属要素は通常と同様の形式で表示されるものもあります。次の画像がその例です。

 

 

要素間の接続は、接続の種類によらず実線・矢印付きで表示されます。

 

シンプルスタイルで表示されている要素は、右クリックメニューで表示されるボタンから、シンプルスタイル独自の装飾を適用することができます。

 

要素をクリックすると要素の右上に表示される アイコンをクリックすると、表示形式を指定できます。複数の要素を選択してこのアイコンを押し、まとめて適用することも可能です。

個々の要素に追加の装飾を設定する

ダイアグラムのオプション「シンプルスタイル」が設定されていない場合に、個々の要素に対して個別に指定することもできます。要素を右クリックし「書式設定 | シンプルスタイルで描画」を選択してください。要素が複数のダイアグラムに配置されている場合には、この設定はダイアグラムごとに個別に指定できます。

 

対象の要素をクリックすると要素の右上に表示される アイコンをクリックすると、表示形式を指定できます。以下のようなツールバーから設定できます。

 

 

 

シンプルスタイルの例

次の図は、シンプルスタイルで利用可能な要素の装飾を適用した例です。

 

 

 

指定可能な装飾:

項目

説明

形の指定

要素を選択すると右上に表示される アイコンをクリックし、表示されるツールバーの右上にあるアイコンをクリックすると、要素の形を指定することができます。形は、以下のいずれかから選択できます。

  • 長方形 (初期値)
  • 角の丸い長方形
  • 楕円
  • ひし形
  • 三角形
  • 多角形(5角形から10角形まで)
  • なし

 

それぞれの選択の例は、上記の「シンプルスタイルの例」の画像にある「形」の枠をご覧ください。三角形を選択した場合には、要素を選択した際に要素の右側に表示されるクイックアイコンで回転させることができます。(右向きや下向きの三角形での描画も可能です。)

 

なお、どの形を指定しても、要素自体のダイアグラム内の領域は四角形のままです。要素につながる接続はこの四角形に沿ってつながりますので、要素の境界線と接続されない場合もあります。また、要素の名前など、要素内に表示される文字列が図形をはみ出す場合もあります。

 

形を選択すると、要素を右クリックした場合に表示されるツールバーのアイコンも変わります。

透過度の指定

シンプルスタイルでは、要素の背景色を透過させて、その要素の下にある他の要素も見えるようにすることができます。指定した透過度に応じて、下にある要素も描画されます。「透過なし」を指定すると、下にある要素は見えなくなります。

要素を選択すると右上に表示される アイコンをクリックし、表示されるツールバーの アイコンをクリックしてください。以下のいずれかの項目を選択します。

  • 透過なし (0%・既定値)
  • 25%
  • 50%
  • 75%
  • 100%

 

それぞれの選択の例は、上記の「シンプルスタイルの例」の画像にある「透過度」の枠をご覧ください。透過度を選択すると、要素を右クリックした場合に表示されるツールバーのアイコンも変わります。

 

なお、透過度を指定しても、境界線や文字列は透過しません。

 

また、サブジェクト(境界)など一部の要素は、シンプルスタイルの描画にしなくても透過度の設定が可能です。

文字の位置の指定

それぞれの要素には、名前・ステレオタイプ・ノートの内容のみが表示されます。初期状態では要素の中央に表示されます。この表示位置を変えることができます。

 

要素を選択すると右上に表示される アイコンをクリックし、表示されるツールバーの下の段・左から2番目のアイコンをクリックしてください。以下のいずれかの項目を選択します。

 

  • 左上
  • 右上
  • 中央
  • 左下
  • 右下
  • ラベルとして表示

 

「ラベルとして表示」を選択した場合には、名前などの情報は要素の下に配置されます。ラベルとして表示されますので、ドラッグして任意の位置に移動させることができます。また、右クリックすると表示されるメニューから「ラベルの色を設定」など、ラベルとして利用できる機能を適用することができます。

(参考:ラベルのコンテキストメニュー)

 

それぞれの選択の例は、上記の「シンプルスタイルの例」の画像にある「文字列の配置」の枠をご覧ください。位置を選択すると、要素を右クリックした場合に表示されるツールバーのアイコンも変わります。

文字の向きの指定

要素に表示される文字列は、水平方向に描画されます。文字列を回転し、縦向きに表示させることもできます。なお、回転させた場合には、名前のみが表示されます。

要素を選択すると右上に表示される アイコンをクリックし、表示されるツールバーのアイコンをクリックしてください。以下のいずれかの項目を選択します。

  • 水平
  • 回転(反時計方向)
  • 回転(時計方向)

 

それぞれの選択の例は、上記の「シンプルスタイルの例」の画像にある「文字の向き」の枠をご覧ください。向きを選択すると、要素を右クリックした場合に表示されるツールバーのアイコンも変わります。

アイコンの位置の指定

シンプルスタイルを適用している要素に対しては、画像要素の画像をアイコンとして表示させることができます。適用したアイコンは右上に表示されますが、他の位置に変えることもできます。

 

アイコンとして画像要素の画像を適用するには、モデルブラウザ内のアイコン要素をドラッグし、シンプルスタイルを適用した要素にドロップしてください。メニューが表示されます。画像要素の画像をアイコンとして適用する場合には、「アイコンとして適用」を選択してください。

アイコンとして表示後、要素を選択すると右上に表示される アイコンをクリックし、表示されるツールバーから アイコンをクリックすると設定できます。

  • 左上
  • 右上
  • 左下
  • 右下

 

アイコンの位置を選択すると、要素を右クリックした場合に表示されるツールバーのアイコンも変わります。

 

アイコンとして表示する画像要素の画像の大きさは問いませんが、アイコンとして表示される大きさは指定することができます。再度 アイコンをクリックして、大きさを指定してください。

  • 16x16
  • 24x24
  • 32x32 (既定値)
  • 原寸 (この選択肢を選択する場合には、登録されている画像がアイコンとして利用できる程度に小さいことを確認してください。)

境界線のスタイルの指定

境界線のスタイルを指定することもできます。要素を右クリックした場合に表示されるツールバーの アイコンをクリックしてください。以下のいずれかの項目を選択します。

  • 実線
  • 破線
  • 点線
  • 1点鎖線
  • なし

 

それぞれの選択の例は、上記の「シンプルスタイルの例」の画像にある「境界線のスタイル」の枠をご覧ください。

重ね表現の指定

シンプルスタイルを適用している要素に対しては、要素の図形を重ねたような表現にすることもできます。その要素が示すものが複数であることを視覚的に表現する場合に便利です。

 

重ね表現にするためには要素を選択すると右上に表示される アイコンをクリックし表示されるツールバーの アイコンをクリックして表示されるメニューの「重ね表現」から、重ねる段数を指定してください。

また、重なりの表示方向を指定することもできます。同じアイコンをクリックして表示されるメニューの「重ね方向」から、以下のいずれかを指定します。

 

  • 左上
  • 右上
  • 左下
  • 右下

 

それぞれの選択の例は、上記の「シンプルスタイルの例」の画像にある「重ね表現」の枠をご覧ください。選択すると、要素を右クリックした場合に表示されるツールバーのアイコンも変わります。

フォント・色・境界線の太さの指定

フォント・色・境界線の太さは、シンプルスタイルではない場合でも設定可能で、シンプルスタイルの場合でもそのまま利用できます。

(参考:プロジェクトの色を独自に定義)

要素を選択すると右上に表示される アイコンを押すと表示されるツールバーを利用します。

  • 要素のフォントを指定するには、 をクリックしてください。フォントを指定するダイアログが表示されますので、フォントやスタイル・サイズなどを指定できます。なお、フォントを指定した場合に、「文字セット」を「日本語」に指定しないと、ダイアグラムの内容を画像としてコピー・ペーストする場合や印刷する場合に文字化けが発生する場合があります。
  • 色を変更するには、 アイコンをクリックすることで、文字色・背景色・境界線の色を指定できます。「その他の色」の項目を選択し、パレットにない独自の色を適用することもできます。
  • 要素の線の太さを指定するには、ツールバーの数値が表示されている箇所で太さを指定できます。1から5までの値で指定できます。

 

 

追加の文字列を表示

シンプルスタイルでは、要素の名前の他に追加の文字列を表示させることもできます。表示させる文字列はタグ付き値'Description'で指定します。

#

操作方法

1

要素を選択し、必要に応じて Ctrl+2 キーを押して、要素のプロパティサブウィンドウを表示します。

2

プロパティサブウィンドウの「タグ」タブをクリックし、ツールバーのアイコンをクリックして、新しいタグ付き値を作成します。

3

タグ付き値ダイアログで、「タグ」の欄には名前として「Description」と入力し、値の欄には「<memo>」と入力してOKボタンを押します。

4

プロパティサブウィンドウのタグタブに戻り、作成したタグ付き値を選択すると表示される ボタンを押し、追加の文字列を入力します。

5

要素には以下のように追加の文字列が表示されるようになります。

 

注意:

  • シンプルスタイルの適用は、必要に応じて簡単に切り替えることができます。プロパティサブウィンドウの「シンプルスタイル」の設定を必要に応じて変更してください。
  • クラス要素など、シンプルスタイルの適用前後で表示内容が変わる要素については、シンプルスタイルで要素の大きさを設定後、シンプルスタイルを解除すると内容を表示するために要素の大きさが広がる場合があります。結果的にダイアグラムの表示が乱れることにもなりますので、ご注意ください。
  • 同様に、シンプルスタイルで要素の大きさを小さくした場合、シンプルスタイルを解除すると要素の大きさが大きくなる場合もあります。
  • シンプルスタイルと情報ビューの表示は同時に適用できません。