Enterprise Architectの操作

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Enterprise Architectの操作

 

この章では、Enterprise Architectの操作方法について説明します。

 

モデリングにより、ビジネスプロセスやソフトウェアシステムを視覚的に表現できます。モデリングの成果であるモデルは、対象のシステムをある観点・局面から見た場合を示すものとなります。また、モデルは設計内容を記録し、その詳細について検討する際の道具にもなります。モデルを理解することで、対象のシステムを理解できます。Enterprise Architectは主なモデリングの記法としてUMLを採用しています。UMLはビジネスプロセスやソフトウェアシステムを記述する際のルールや表現を規定した標準です。

 

Enterprise Architectを利用する場合には、モデルの構造を表現するためのパッケージを階層化して定義し、その中にモデルを構築します。

 

 

モデルの構成・モデルに関する機能

Enterprise Architectで構築するモデルは、パッケージを利用して階層的に情報を格納します。次の表は、モデルを構成するものや、モデルに関係する機能です。

 

項目

説明

参照

モデルルート

Enterprise Architectの最上位のパッケージをモデルルートと呼びます。対象のシステムの全体を示すものです。基本的にはプロジェクトに1つのみですが、複数作成できます。

モデルルート

モデルテンプレート

ビュー

マトリックスや検索ビュー・仕様ビューなど、ダイアグラムとは別の形式でモデルの内容を参照・編集できるさまざまなビューが利用できます。

 

パッケージ

パッケージは、モデルの内容を構造的に定義・管理するために役に立ちます。パッケージには他のパッケージや要素・ダイアグラムを格納できます。

パッケージ

パッケージを開く

ダイアグラム

ダイアグラムは、モデル内の要素間の関係を視覚的に表現したものです。属性や操作などの要素の情報や、ノートやタグ付き値などの情報を目的に応じて表示できます。

ダイアグラム

ツールボックス

クイックリンク

ダイアグラムのコンテキストメニュー

ダイアグラムタブ

要素の自動レイアウト

要素

要素は、モデルを構成する基本的な要素です。クラスやインターフェースなどのように構造を表現するための要素と、アクティビティや状態などの振る舞いを表現するための要素に分かれます。

要素

要素のコンテキストメニュー

表示内容

接続

接続は、モデル内の要素を関連づけるもので、さまざまな種類があります。振る舞いの関係を示すものや要素間の関係を示すものがあります。

接続

接続のコンテキストメニュー

接続に関する操作

接続のプロパティ

タグ付き値

タグ付き値とは要素や接続などに対して独自の情報を追加するための仕組みです。ステレオタイプと関連づけて定義できます。タグ付き値は、UMLの要素を特定の領域に対応できるように拡張するための仕組みの一つです。

タグ付き値

タグ付き値の追加方法

タグ付き値の値の変更

ノート

ノートは、要素・ダイアグラム・接続などの詳細を説明するための情報を記録するためのものです。ノートは、設計開発の初期の段階では、それぞれの要素の意味や責務を表現するために多く利用されます。設計開発の後半では、その内容を参照しながら具体的で正確な内容を定義していきます。

ノートサブウィンドウ

リッチテキストノートのツールバー

ハイパーリンク

 

ハイパーリンクは、ダイアグラム内に配置される、モデル内の他の要素やダイアグラム・外部のファイルなどを参照するための仕組みです。

モデルの内容が増えてくると、モデル内の情報を効率よく参照するための仕組みが必要になります。ハイパーリンクを利用することで、関係するダイアグラムへ簡単に移動したり、外部のファイルとして存在する情報を簡単に開くことができるようになります。

ハイパーリンク

モデルテンプレート

 

モデルテンプレートは、パッケージ・ダイアグラム・要素などをまとめたものです。新しくプロジェクトを作成した直後など、モデルブラウザ内の構成を効率的に作成する場合に便利です。

 

API

Enterprise Architectの機能を拡張し、独自の機能を追加したり、外部からモデルの情報を参照・編集できます。

 

 

モデルの構成要素

Enterprise Architectでモデルを構成する主なものの概要を紹介します。

 

項目

説明

参照

モデルルート

モデルルートは最上位となるパッケージで、設計対象のシステムやソフトウェアのすべてを含む位置づけです。

必要に応じて、1つのプロジェクトに複数のモデルルートを作成できます。

モデルルート

モデルテンプレート

パッケージ

モデルの構成を形作る基本的なコンテナであり、他のパッケージ・要素・ダイアグラムを格納することで、モデルに含まれる内容を分類できます。

パッケージ

パッケージを開く

ダイアグラム

ダイアグラムは、要素間にどのような関係があるのかを示す視覚的な表現の場です。また、それぞれの要素が持つ属性や操作など、要素の特徴も視覚的に表示します。それぞれのダイアグラムの目的に応じた要素が配置され、その目的に応じた内容のみを表示するように表示内容を調整します。

ダイアグラム

ツールボックス

クイックリンク

ダイアグラムのコンテキストメニュー

ダイアグラムタブ

ダイアグラム内の操作

要素の自動レイアウト

要素

要素は、設計を構成する基本的なものです。クラス要素やインターフェース要素のような構造的な概念に対応する場合もあれば、アクティビティ要素やアクション要素・状態要素などの振る舞いに対応する場合もあります。

要素

要素のコンテキストメニュー

接続

接続は要素間の関係を示すものです。構造や振る舞いを表現します。接続は要素が常に保持する特性の一つとして扱われ、モデルブラウザ内で単独では存在し得ません(モデルブラウザ内に接続は表示されません)。

接続

接続のコンテキストメニュー

接続に関する操作

接続のプロパティ

タグ付き値

タグ付き値は、要素や接続などさまざまな対象に対して独自の追加情報を定義・保持するための仕組みです。その都度定義することも可能ですし、プロファイルとして事前に定義したものを参照・利用することも可能です。UMLを、独自の領域に拡張する際に利用します。

タグ付き値

タグ付き値の追加方法

タグ付き値の値の変更

ノート

ノート要素は、ダイアグラム内で補足的な情報を可視化するための特別な要素です。ダイアグラム内に配置し、要素や接続などと必要に応じて結びつけ、文章で説明を表現します。

ノートサブウィンドウ

リッチテキストノートのツールバー

 

注意:

  • UMLについては、「UMLのモデリング」のページをご覧ください。
  • Enterprise Architectでは、それぞれの内容の例が含まれるサンプルプロジェクトを提供しています。
  • スパークスシステムズ ジャパンのWebサイトでは、動画デモを公開しています。