Enterprise Architectのモデルのシミュレーション機能は、動作解析の機能の一つとして提供し、振るまいを含む概念モデルの実行をシミュレーションするための機能です。モデルの論理的な正しさを確認するために便利です。
このページおよび配下ページで説明するシミュレーション機能が対象とする図は、UMLのステートマシン図・アクティビティ図とBPMNのダイアグラムです。
シミュレーションを実行する場合には、現在開かれているダイアグラムが含まれるパッケージか選択されているパッケージの内容を解析し、その後シミュレーションプロセスを起動します。シミュレーションはUMLのダイアグラム上で実行・表示されます。シミュレーションを実行するために、ソースコードの生成やコンパイルは不要です。このシミュレーション機能により、設計段階で振る舞いの確認を行うことができます。
シミュレーションを実行するための手順の概要は以下の通りです。
もし、ダイアグラム内に他のパッケージに含まれる要素が配置されている場合には、シミュレーション対象のダイアグラムが含まれているパッケージから、該当の要素が含まれるパッケージに向けて「インポート」の接続を追加する必要があります。双方のパッケージをダイアグラム内にパッケージ要素として配置し、クイックリンクでインポートの接続を作成してください。
プロフェッショナル版以上のエディションでは、対象のダイアグラムに対して、手動実行機能のシミュレーションを実行できます。手動実行では、処理が分岐する点では次に実行するノード(状態やアクションなどの要素)を指定するための選択ダイアログが表示され、ユーザーが手動で遷移先を指定する必要があります。ガード条件やトリガなどは一切無視します。分岐しない箇所では無条件に次に進みます。オブジェクトのやりとりやオブジェクトフローには対応していません。
コーポレート版以上のエディションでは、以下のような自動的なシミュレーション機能が利用できます。自動的なシミュレーション機能はステートマシン図とアクティビティ図で利用可能です。
さらに、ユニファイド版以上のエディションでは、BPMN 2.0に対応したモデルでシミュレーションが可能です。
シミュレーション機能を使用すると、動作を含む概念的なモデルの実行をシミュレートできます。シミュレーションを開始すると、対象のパッケージが分析され、モデルを実行するためのシミュレーションプロセスが起動します。
シミュレーションを開始するために必要な作業は以下の通りです。
ダイアグラムに、対象のパッケージ以外に含まれる要素が含まれている場合、ダイアグラムが含まれるパッケージから外部要素を含むパッケージへのインポートの接続を作成する必要があります。これを行うには、モデルブラウザから両方のパッケージをパッケージ図にドラッグし、クイックリンクを使って接続を作成します。
シミュレーションの概要
| 項目 | リンク | 
| モデルのシミュレーションの概要 | |
| シミュレーションを利用するための設定 | |
| シミュレーションで利用するサブウィンドウの設定 | |
| シミュレーションでブレークポイントを設定・利用する方法 | |
| インスタンスを利用したシミュレーション | |
| さまざまな種類のアクション要素を利用する | |
| Javascriptの文法で判定条件や処理を記述し、シミュレーションの動作を制御する方法 | |
| シミュレーションでガード条件を設定する方法 | |
| シミュレーション中にトリガを発行する方法 | |
| 振る舞いの呼び出しや変数の参照を行う | |
| 構造アクティビティ要素のシミュレーション | |
| 同時に複数のスレッドでシミュレーションを実行する | |
| 子ダイアグラムを持つ要素に対してシミュレーションを実行する | |
| BPMN2.0のモデルをシミュレーションする方法 | |
| Win32画面設計で定義した画面をシミュレーション中に利用する | 
必要システム構成
| 項目 | 参照 | 
| 対応するプラットフォーム 
 | モデルのシミュレーション機能は以下の環境で利用できます。 
 
 モデルのシミュレーション機能は、アクティビティ図・シーケンス図・ステートマシン図・BPMNのビジネスプロセス図に対応しています。ただし、シーケンス図は手動でのシミュレーション実行のみが可能です。 | 
| 利用できるエディション | シミュレーションの機能が利用できるエディションは以下の通りです。 
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参照: