動作速度に関する注意点

このページでは、バージョン管理機能を利用時の動作速度を向上させるベストプラクティスをいくつか紹介します。

全てのパッケージにバージョン管理を適用する

モデル内の各パッケージにバージョン管理を適用する場合には、「一括してバージョン管理に追加」機能が便利です。

この機能を利用することで、バージョン管理設定時の効率を向上できます。

Enterprise Architectでバージョン管理を適用する場合には、パッケージとその内容を記述した情報をXMIファイルに出力し、バージョン管理ツールのリポジトリに追加します。最上位のパッケージに対してのみバージョン管理を適用する場合には、モデル全体が出力され、1つのXMIファイルに保存されます。バージョン管理ツールでパッケージを更新する際には、そのパッケージの内容は、関連するXMIファイルから読み込まれる前に、まずプロジェクトから削除されます。最上位のパッケージに対してのみバージョン管理を適用している場合には、XMLファイルから読み込まれる前に、モデル全体がプロジェクトから削除され、多くの時間がかかります。対照的に、すべてのパッケージが個別にバージョン管理の対象になっている場合には、モデルの一部のみが各XMIファイルに出力され、パッケージのチェックアウトや更新時にモデルの一部だけが削除され、読み込まれます。

モデルを編集するための同時アクセスも、この方法に従うことで他の人が利用中で待たされることが大幅に減ります。

バージョン管理されたパッケージがチェックアウトされると、そのパッケージとその内容は他のユーザーに対してロックされます。もしバージョン管理が最上位のパッケージだけに適用されるのであれば、あるユーザーがそのパッケージをチェックアウトすると、モデル全体がロックされ、最上位のパッケージが最初のユーザーによってコミットされ、その後他のユーザーによってチェックアウトされるまで、他のチームメンバーが修正を加えることができなくなります。一方、パッケージ階層内の複数のレベルでバージョン管理が適用されている場合、親パッケージがチェックアウトされても、独立して管理されているサブパッケージは影響を受けません。そのため、あるユーザーがパッケージをチェックアウトして修正を加えても、別のユーザーが同時に別のパッケージをチェックアウトして、パッケージに修正を加えることができます。

最新バージョンを全て取得の機能の実行時には「更新されたパッケージのみ読み込む」を選択する

変更されていないパッケージファイルを読み込むすると、最新バージョンを全て取得機能のパフォーマンスが大幅に低下します。そのため、最高のパフォーマンスを得るためには、変更のないパッケージファイルを再読み込みしないでください。最新バージョンを全て取得の機能を実行すると、同名のダイアログが表示されます。常に「更新されたパッケージのみ読み込む」を選択してください。

共有モデル環境の場合、「更新されたパッケージのみ読み込む」を選択すると、最新バージョンを全て取得の機能は、ダイアグラムとモデルブラウザの内容を再読み込みすることによって、表示内容を最新にします。「すべて取得し直す」「個別に指定する」を選択した場合には、Enterprise Architectはパッケージを削除し、その後全く同じ情報をモデルに再読み込みします。

すべてのユーザーが1つのモデルデータベースに接続している共有モデル環境では、バージョン管理ツールからパッケージを再読み込みする必要はありません。なぜなら、プロジェクト内の情報は、常にバージョン管理ツールにコミットされたものと同じか、それよりも新しい作業中の内容です。この状況では、バージョン管理ツールが持つ情報は最新であり、バージョン管理ツールのリポジトリからモデルに新しい情報を読み込むことはありません。各ユーザーがプロジェクトを手元に持つプライベートモデル環境を使用する場合でも、前回の更新以降に変更されていないパッケージファイルを再度読み込んでも、何のメリットもありません。操作が完了するまでの時間が長くなるだけです。

単一のバージョン管理設定を使用する

モデル内のバージョン管理設定の数を最小限にすることで、モデルの読み込み時間を短縮することができます。 1つのEnterprise Architectモデルで複数のバージョン管理設定を利用すると、モデルの読み込みにかかる時間が長くなります。

モデル内のさまざまなパッケージを制御するために、多くの異なるバージョン管理設定を利用することは可能ですが、特別な理由がない限り、モデル内のすべてのパッケージに対して1つの設定のみを利用するべきです。 Enterprise Architectはバージョン管理を利用するモデルを読み込む際に、それぞれのバージョン管理ツールの設定が正しいことを確認します。バージョン管理ツールによっては、Enterprise Architectはバージョン管理の設定に関連付けられた作業コピーフォルダに "status "などのコマンドを発行し、作業コピーフォルダが存在しアクセスできること・バージョン管理クライアントがバージョン管理サーバと通信できることを確認します。このすべてに時間がかかる場合があります。 1つのモデルに多くのバージョン管理の設定がある場合には、プロジェクトを開いて利用可能になるまでの時間に大きな影響を与えます。