クイックリンクの定義のフォーマット

<< 目次を表示 >>

ページ位置:  Enterprise Architectの拡張(SDK) > MDGテクノロジーを独自に定義 > プロファイルの作成 > プロファイルの作成と編集 > クイックリンクの定義 >

クイックリンクの定義のフォーマット

プロファイルで定義した要素からクイックリンクの矢印をダイアグラム上にドラッグしたときに表示されるクイックリンクのメニューを定義したり変更したりするには、対応するクイックリンク定義を作成または編集します。CSV形式でクイックリンクを定義する場合には、カンマ区切りのテキストで行われます。それぞれの列には23個のカンマで区切られた値が必要となります。それぞれの内容は以下の通りです。

 

これらのフィールドのいくつかはメニューコマンドを定義し、いくつかはフィルターとして機能します。

 

//で始まる列はコメントとして解釈されます。引用符 (" ") は必須ではありません。

 

クイックリンクの定義のそれぞれの列は、クイックリンクのメニューの一つの項目(ルール)に対応します。クイックリンク機能の選択肢として表示される内容として利用されるだけでなく、非表示にするためのフィルタ条件として利用される場合もあります。

 

クイックリンク定義の各レコードは、クイックリンクメニューの1つのエントリを表します。最終的なメニューの内容は、フィルタを満たすすべての行で構成されます。接続を先に選択し次に要素を選択する設定の場合には、最初のメニューにはクイックリンク定義で条件に合致する全ての接続の名前が表示され、サブメニューとして関係するよう疎明が表示されます。

 

クイックリンク定義には、以下の項目があります:

項目名

説明

A

Source Element Type

クイックリンクを実行する、ドラッグ元となる要素の種類です。

クイックリンクの操作元の要素がこの種類の要素の場合に、他の項目が合致するかどうかを判定します。

接続からのクイックリンクの定義を作成する場合には、'link:' を付加します。例えば、コントロールフローであれば 'link:ControlFlow' のように設定します。

B

Source Stereotype Filter

ドラッグ元となる対象の要素をステレオタイプで限定する場合、ステレオタイプの文字列を指定します。指定がある場合、他のステレオタイプが設定されている要素やステレオタイプが設定されていない要素はこのルールの対象外となります。

ステレオタイプ名が他のプロファイルで定義されている場合には、「UMLプロファイル名::ステレオタイプ名」形式で指定します。それ以外の場合には無視されます。

C

Target Element Type

もしこの値が指定されない場合には、ダイアグラムの背景(何も要素がないところ)に対してクイックリンク機能を実行した場合に、このルールが有効になります。

それ以外の場合には無視されます。

名前の前に「@」の文字をつけることで、UMLのメタクラス要素を対象にしたルールを指定できます。

例: @Classifier, @NamedElement

もしこの値が指定され、クイックリンク機能で、ドラッグ先の要素の種類がここで指定された種類の場合には、このルールが有効になります。

接続へのクイックリンクの定義を作成する場合には、'link:'を付加します。例えば、コントロールフローであれば'link:ControlFlow'のように設定します。

D

Target Stereotype Filter

ドラッグ先となる対象の要素をステレオタイプで限定する場合、ステレオタイプの文字列を指定します。それ以外の場合には無視されます。

指定がある場合、他のステレオタイプが設定されている要素やステレオタイプが設定されていない要素はこのルールの対象外となります。

ステレオタイプ名が他のプロファイルで定義されている場合には、「UMLプロファイル名::ステレオタイプ名」形式で指定します。それ以外の場合には無視されます。

E

Diagram Filter

このルールの内容が有効になるダイアグラムの種類を指定します。対象のダイアグラムを指定するか、対象外のダイアグラムを指定するかの方法を選択できます。

 

  • ダイアグラムが複数ある場合、セミコロンで区切ります。

例: Collaboration;Object;Custom;

 

  • 独自に定義した種類のダイアグラムの場合には、完全名で指定する必要があります。 (プロファイルID::種類名);

例: BPMN2.0::Business Process;BPMN2.0::

   Choreography;BPMN2.0::Collaboration;

 

  • 独自に定義した種類のすべてのダイアグラムに適用する場合には、’*’(ワイルドカード)文字を利用することができます。

例: BPMN2.0::*;

 

  • 対象外の種類を指定する場合には、先頭に!を追加します。この場合は、該当しない種類のダイアグラムすべてで有効になります。

例: !Sequence;

 

この設定が行われている場合には、クリックリンクの「ツールボックスの内容のみ」の動作は無効になります。すべてのダイアグラムにおいて、定義したルールを有効にしたい場合には、存在しない種類のダイアグラム「以外」のルールを定義してください。

例: !TBFilter

 

バージョン14.0で機能追加されたクリックリンクの「ツールボックスの内容のみ」の動作を利用することを推奨します。この機能は、ダイアグラムごとのツールボックスがあれば、その内容のみがクイックリンクの選択肢に含まれるようになります。

F

New Element Type

N列の Create ElementがTRUEの場合には、ドラッグ元の要素から要素が存在しない場所にドラッグした場合に、この種類の要素が作成されます。N列がTRUEの場合は、指定は必須です。

G

New Element Stereotype

N列の Create ElementがTRUEの場合には、ドラッグ元の要素から要素が存在しない場所にドラッグした場合に作成される要素に、このステレオタイプを設定します。ステレオタイプを設定しない場合には、空欄にします。

ステレオタイプ名が他のプロファイルで定義されている場合には、「UMLプロファイル名::ステレオタイプ名」形式で指定します。

H

New Link Type

M列のCreate Link がTRUEの場合には、A列の要素からC列の要素にドラッグした場合に、この種類の接続が作成されます。M列がTRUEの場合は、指定は必須です。

I

New Link Stereotype

M列のCreate Link がTRUEの場合には、A列の要素からC列の要素にドラッグした場合に作成される接続に、このステレオタイプを設定します。ステレオタイプを設定しない場合には、空欄にします。

ステレオタイプ名が他のプロファイルで定義されている場合には、「UMLプロファイル名::ステレオタイプ名」形式で指定します。

J

New Link Direction

以下のいずれかを指定します。

  • directed: 常にソースからターゲットへ接続を作成
  • from: 常にターゲットからソースへ接続を作成
  • undirected: 常に方向を定めず接続を作成
  • bidirectional: 常に双方向で接続を作成
  • to: directedかundirectedのどちらかの接続を作成。どちらを作るかは 、関連の方向オプションや接続の種類に依存します。

注意:

全ての接続の種類において、上記すべてが機能するわけではありません。たとえば、双方向の汎化はできません。

K

New Link Caption

A列の要素からC列の要素にドラッグした場合に表示されるメニューの項目名を指定します。M列のCreate Link がTRUEの場合には必須です。

L

New Link & Element Caption

新しい接続と新しい要素がともに作成されるとき(クイックリンクの実行先として、要素が存在しない位置が指定されたとき)、この文字列がコンテキストメニューに表示されます。N列の Create ElementがTRUEの場合には必須です。

M

Create Link

TRUEを設定すると新しい接続が作成されます。TRUEを指定しない場合には、ブランクのままにしてください。

N

Create Element

TRUE を設定すると、クイックリンクの実行先が要素ではない(ダイアグラムの背景)の場合には、新規に要素を作成します。TRUEを指定しない場合には、ブランクのままにしてください。 'Target Element Type' および 'Target Stereotype Filter' の内容に優先します。

O

Disallow Self connector

自分自身へのクイックリンクのドラッグ&ドロップ操作の場合にこのルールを適用しない場合には、 TRUE を設定してください。TRUEを指定しない場合には、ブランクのままにしてください。

P

Exclusive to stereotype +

No inherit from Metatype

TRUEが設定されている場合、Enterprise Architectの既定のクイックリンクのルールを無効にします。(MDGテクノロジーのクイックリンク定義のルールのみが表示されます。)

TRUEを指定しない場合には、ブランクのままにしてください。

 

なお、TRUEを指定した場合でも、他のMDGテクノロジーで同名のステレオタイプが定義されていて、状況に合致する場合にはその項目も表示されます。また、要素の種類を問わず適用可能な「依存・追跡・情報フロー」などの項目は常に表示されます。
(B列の指定でプロファイル名を含めることで、他のMDGテクノロジーの設定は影響しなくなります。)

なお、B列が空の場合にはこの設定は無視されます。

Q

Menu Group

N列がTRUEの場合で要素を作成の場合にこの項目を設定すると、指定した名前のサブメニューが作成されます。この列の値が同じ項目が、サブメニューとしてまとめて表示されます。

この項目は、要素を新規に作成する場合にのみ利用されます。つまり、既存の要素からクイックリンクのアイコンをドラッグし、要素が存在しない場所でドロップした場合のみ、この値が利用されます。

R

Complexity Level

以下の値について、適用する項目の数値を足した値を指定して下さい。

 

  • 0 = 何も指定しない場合
  • 4 = ソース側の要素のステレオタイプが空(未指定)の場合には、この行の内容を無視します。
  • 8 = ターゲット側の要素のステレオタイプが空(未指定)の場合には、この行の内容を無視します。
  • 16 = B列の内容について、ステレオタイプではなく名前で適用するかどうかを判定します。
  • 32 = D列の内容について、ステレオタイプではなく名前で適用するかどうかを判定します。この場合、G列の内容は新しく作成する要素の名前になります。
  • 64 = B列の内容について、ステレオタイプではなく要素の分類子の名前で適用するかどうかを判定します。
  • 128 = D列の内容について、ステレオタイプではなく要素の分類子の名前で適用するかどうかを判定します。この場合、G列の内容は新しく作成する要素の分類子の名前になります。
    (同名の分類子が存在する場合には作成しません。)

 

複数の設定を有効にする場合には、値を足します。例えば、192 が指定されている場合には、 64 と 128 の両方の設定が指定されていることになります。

S

Target Must Be Parent

TRUE が設定されている場合、このメニュー項目は、ドラッグ先の要素がドラッグ元の要素の親要素でない場合にはこのルールは適用されません。例えば、ポートからそのポート要素を持つ親クラスへドラッグした場合にのみ表示したい場合には、TRUEを指定します。
TRUEを指定しない場合には、ブランクのままにしてください。

T

Embed element

TRUE が設定されている場合、作成される要素は、ドラッグ先要素の子要素として作成されます。TRUEを指定しない場合には、ブランクのままにしてください。

U

Precedes Separator LEAF

TRUE が設定されている場合、今回のルールで追加される項目の下(次)にメニューセパレーターが追加されます。TRUEの時を除いて、ブランクのままにしてください。

この項目は、表示される項目がサブメニューの場合のみ(Q列の内容が空でない場合のみ)有効です。

V

Precedes Separator GROUP

TRUE が設定されている場合でQ列の内容が表示される場合に、その項目でクイックリンクのサブメニューが開始する場合に、次の(サブメニューではない)項目の前にセパレーターが追加されます。TRUEの時を除いて、ブランクのままにしてください。

W

Dummy Column

クイックリンクの定義のために利用する表計算ツールによっては、最後の項目が空の場合には内容が欠落し、CSV出力の結果をEnterprise Architectが正しく認識できません。

このような場合には、このカラムにダミー値(0など)を入力します。

 

 

参照: