グループごとのパースペクティブ

パースペクティブはセキュリティ(アクセス権)の機能と連携させることができます。管理者は特定のグループが利用できるパースペクティブのセットを定義できます。これにより、グループ内のユーザーは必要なすべての記法を使用できるようになり、無関係な記法を完全に非表示にして作業に集中できるようになります。これにより生産性が向上しますが、必要に応じて割り当てられたパースペクティブを切り替えることもできます。たとえば、「戦略プロセスモデリング担当」と呼ばれるグループを定義し、管理者が「戦略」グループに含まれる全てのパースペクティブと「要求」グループ内の「意思決定モデリング」パースペクティブを割り当てることができます。このグループに割り当てられたすべてのユーザーは、個々のパースペクティブにアクセスし、切り替えることができます。または、「全て」を選択すると、すべてのパースペクティブの内容を利用できます。多くのグループのメンバーとして割り当てられたユーザーは、すべてのグループのパースペクティブを利用できます。

管理者は、これらの独自のパースペクティブを任意のグループに適用ます。グループのメンバーは、指定されたテクノロジーからの制限された要素・接続・ダイアグラムのセットのみを持つようになります。たとえば、特定の処理をモデル化するだけでよい戦略的モデラーのグループが存在する場合があります。アクティビティや制御フローなどの基本的なBPMNモデリングを利用するだけでよく、たとえば、プール・レーン・ゲートウェイやメッセージフローは利用しないようにすることもできます。管理者は、これらのモデリング要素・接続・ダイアグラムのみに制限されたパースペクティブを作成できます。これにより、管理者はプロジェクトチームが使用できる言語の部分をきめ細かく制御できるため、生産性と出力が向上します。

パースペクティブの設定は、必要に応じて1つないしは複数の既存のパースペクティブを指定することができます。それぞれのグループに対して個別に設定できます。例えば、ビジネスに関する設計者はBPMNのみを利用し、それ以外の不要なMDGテクノロジー・記法は表示されないようにします。また、作業内容に応じて特定のリボンの内容を表示させないようにすることもできます。

なお、この機能を利用して利用不可となるMDGテクノロジーは無効になるわけではありません。利用不可となったMDGテクノロジーを利用している図は適切に表示されます。ダイアグラムの作成時になどに選択ができなくなるだけです。

この機能は、バージョン15.0以降で利用できます。この機能を利用することで、個々の利用者の立場や習熟度などを元にEnterprise Architectの利用方法を制限できます。これにより、モデルの内容をより適切に保つことができます。

利用手順:

リボン	ホーム > 画面 > パースペクティブ > 設定 > グループの制限グループに対するパースペクティブの設定の一覧が表示されます。セキュリティ機能が有効であれば、現在の設定が表示されます。 (なお、「パースペクティブセット」の欄に「パースペクティブグループ名」が表示されている場合には、そのグループに対してすでにパースペクティブが設定されていることを示しています。) 一覧の最上部の '<モデルの既定値>'は、全てのユーザーに対して適用される設定です。

グループごとのパースペクティブの設定を行う

#	操作方法
1	パースペクティブの管理ダイアログの「パースペクティブセット」のセルにある「参照」ボタンをクリックします。グループのパースペクティブダイアログが表示されます。このダイアログでは、定義済みのパースペクティブが表示されます。左側のグループの一覧で選択すると、そのグループに含まれるパースペクティブが右側の一覧に表示されます。全ての項目にはチェックボックスも表示されます。
2	グループに含まれるパースペクティブの全てを利用不可とする場合には、左側の一覧でチェックボックスのチェックを外します。
3	個々のパースペクティブを利用不可とする場合には、右側の一覧でチェックボックスのチェックを外します。
4	「初期化」ボタンを押すと、全ての設定内容を戻し、全てのパースペクティブが利用可能な状態に戻ります。
5	設定が完了したら「OK」ボタンを押してください。設定内容を保存し、パースペクティブの管理ダイアログに戻ります。
6	必要に応じて、他のグループに対しても設定します。
7	全ての設定が完了したら、パースペクティブの管理ダイアログの「閉じる」ボタンを押します。

グループごとのリボンの設定を行う

リボンの設定は、パースペクティブの設定とほぼ同じです。

#	操作方法
1	対象のグループ名の行にある「リボンセット」のセルにある参照() ボタンをクリックします。グループのリボンダイアログが表示されます。このダイアログでは、定義済みのリボンが表示されます。一覧のリボン名を展開すると、そのリボンに含まれるパネルが下位項目として表示されます。全ての項目にはチェックボックスも表示されます。
2	特定のリボンの全てを利用不可とする場合には、リボン名の右端にあるチェックボックスのチェックを外します。
3	個々のパネルを利用不可とする場合には、パネル名の右端にあるチェックボックスのチェックを外します。
4	「初期化」ボタンを押すと、全ての設定内容を戻し、全てのリボンが利用可能な状態に戻ります。
5	「既定のリボン」を指定すると、Enterprise Architectを起動し、ユーザーがログインした段階で表示されるリボンを指定できます。
6	設定が完了したら「OK」ボタンを押してください。設定内容を保存し、パースペクティブの管理ダイアログに戻ります。
7	必要に応じて、他のグループに対しても設定します。
8	全ての設定が完了したら、パースペクティブの管理ダイアログの「閉じる」ボタンを押します。

注意:

この設定は、モデルの管理者のみが指定可能です。
「ホーム」「仕様ビュー」「ドキュメント」のリボンは非表示にはできません。
「プロジェクト」のリボンを非表示にしても、モデルの管理者の場合には表示されるように設定が上書きされます。
「初期化」ボタンを押すと、設定した内容を全て元に戻し、全てのパースペクティブあるいはリボンが利用可能になります。