カンバンを利用したプロセス

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カンバンを利用したプロセス

カンバン自体はいわゆるプロセスではなく、作業項目の可視化であり、顧客の価値を認識しできるだけ早く実現するための手段です。カンバンは単独で利用することもできますし、スクラム・インクリメンタル・ウォーターフォールなどのプロセスの中で活用することもできます。それぞれのプロセスの位置づけは異なりますが、カンバンを利用することで注目すべき項目を可視化する手段として有用です。

 

カンバンの長所は、検討段階からデリバリーの段階まで、顧客やチームメンバーに対して作業項目を可視化することができる点です。

 

 

スクラムバン

スクラムバンはスクラムの観点とカンバンを組み合わせた方法論です。多くの場合には、スクラムのチームは既に実施しているプロセス、例えばスプリント・スタンドアップ・振り返りなどの作業を変える必要はありません。その上で、カンバンを作業項目の可視化に利用し、ジャストインタイムでの計画とWork-In-Progress (WIP)制限の運用を支援します。それぞれの作業項目はスプリントやイテレーションの開始時にバックログからプル(移動)し、カンバンに配置します。

 

スクラムバンにより、スプリント計画に時間がかかってしまう点の解決や、スプリント期間内のユーザーストーリーやバグが多い場合でも実装者の並行作業を確実に行う点の支援が可能になります。スクラムバンでは、Enterprise Architectの既定の1ステージ・2ステージあるいは3ステージのカンバンを活用することもできますが、独自のワークフローに応じたカンバンを定義し利用することもできます。

 

 

 

イテレーティブメソッド

イテレーティブあるいはインクリメンタルなプロセスは、単独で利用される場合の他、ウォーターフォール形式でのプロセスの一部に組み込んで利用する場合もあります。それぞれのイテレーションでの作業項目の定義と管理に、必要に応じた数のカンバンを作成しての利用が役立ちます。

 

 

 

ウォーターフォール

ウォーターフォールおよびその派生プロセスは19世紀中頃から利用されていて、軍事・航空・旅行・金融などの標準プロセスとしても利用されてきました。一般的には、成果物を事前に確定させる必要がある業界・システムでの利用が多いです。ウォーターフォールは要求や対象のシステムのスコープが事前に確定し、成果物の変更が少なく、既知で広く利用されている技術プラットフォームを利用する場合に多く利用されています。カンバンは、フェーズ間およびフェーズ内での作業項目の可視化に有効です。