ビジネスプロセスシミュレーション (BPSim)

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ビジネスプロセスシミュレーション (BPSim)

BPSimはオープンな仕様で、アクティビティやタスクにリソースをどのように割り当てるか、どのようにイベントを発生させるか、判断やその他の実世界に関係する内容に関する定義が含まれます。BPSimの仕様に沿って設定を行うと、BPMNで定義されたビジネスプロセスモデルをBPSimシミュレーションエンジンに渡して実行することができるようになります。

 

BPSimの仕様は詳細に定義されていて、操作に関する情報をモデルに割り当てたり、実行するシミュレーションエンジンから得られる情報に基づくソリューションの質を評価したりすることを柔軟に行うことができます。この章では、BPSimでのシミュレーションの実行のための設定を行う方法を説明します。設定が完了したら、BPMNモデルをBPSimデータと一緒に出力し、BPSimエンジンで実行できます。

 

設定が完了したら、BPSimの設定データとBPMNモデルに対して、BPSim互換のシミュレータ「BPSim 実行エンジン」でシミュレーションを実行することもできます。この「BPSim 実行エンジン」はユニファイド版あるいはアルティメット版で利用できます。この機能を利用することで、Enterprise Architect内でBPMNモデルの作成と修正から、異なる条件でのシミュレーションの実施とその結果の保存・複数の結果の比較までを一貫して行うことができます。

 

注意:

このBPSimの機能のうち、モデルのシミュレーションを実施する部分にはLANNER社のL-Simエンジンを利用しています。このエンジンに関係する内容やBPSimの仕様に関する内容・設定については、英語での表示となります。

 

 

BPSimの利用

BPSimは、Enterprise Architectのユニファイド版あるいはアルティメット版で利用できます。

 

適切なバージョンのJava Runtime Environment (JRE)とJava Development Kit (JDK)がインストールされている必要があります。

 

 

BPSimの設定を含むBPMNモデルの例

 

BPSimとEnterprise Architectで定義されたBPMNモデルを統合し、さまざまな条件でシミュレーションを実行した結果をモデル内に保存してその結果を参照・比較できます。

 

BPSimの設定ダイアログでは、設定手順のそれぞれに注力できるように複数の内容を切り替えられます。切り替え可能なの観点は次の通りです。

 

 

また、複数の設定を定義してその設定による動作結果の違いを簡単に比較することもできます。また、設定により処理の流れや実行がどのように変わるかを比較検証する事もできます。このような比較のためには、ベースラインの機能を利用します。ベースラインごとに異なるパラメータを設定し、シミュレーションエンジンにデータを渡して動作させることで、設定ごとの動作の違いや設定の違いによる相対的なメリットを検証します。

 

複数のプロジェクトを利用している場合には、BPSimの設定をプロジェクト間で転送することができます。BPSimに関係するBPMNモデルを入出力する場合には、BPSimに関する設定は自動的に合わせて入出力されます。

 

Enterprise Architectのビジネスプロセスシミュレーションの設定は、Workflow Management Coalition (WfMC)が開発するBPSimフレームワークに基づいています。

 

注意:

  • ダイアグラム内で要素や接続を選択した場合やモデルブラウザ内で要素を選択した場合には、BPSimの設定ダイアログ内でもその要素に対応する項目が選択されます。
  • シミュレーション対象のビジネスプロセスは、複数のパッケージにまたがって配置している場合でもシミュレーション機能を実行できます。
    ただし、この場合には、パッケージ図で、シミュレーションの開始対象となるパッケージ(親パッケージ)と、参照している他のパッケージ(外部パッケージ)の間に関係を定義して、参照を明示する必要があります。
  • パッケージインポートの接続を、親パッケージから外部パッケージに向けて作成する
  • 依存の関係を、親パッケージから外部パッケージに向けて作成する

 

 

参照: